2021.09.30
イベントレポート:「オーナー様とのつながりを”攻め”の提案に活かす」
8月27日に「オーナー様とのつながりを”攻め”の提案に活かす」をテーマに、WealthParkをご利用中の管理会社様向けのユーザー会を開催し、30社51名以上の方にご参加いただきました。
これまでのユーザー会では、「現状の業務効率化を実現する」という「守り」のフェーズにフォーカスし、導入や活用に役立つ指標やノウハウを紹介させていただきました。今回のユーザー会では前半に「守り」のフェーズ、後半では管理戸数の拡大や資産管理サービスへ転換していく「攻め」のフェーズにも着目していきました。
実際に「攻め」の活動に取り組まれている管理会社様にご登壇いただき、WealthParkを活用した売買提案についてもご紹介いただきました。
事前アンケート結果紹介
売買提案活動に対しての取り組みについてのアンケートでは、ほぼ全ての企業様が積極的あるいは検討、予定中であることがわかりました。
また、売買提案活動を実施するための手段については、オーナー様からの直接のお問い合わせ、直接営業、DMなどオフラインが主流となっていることが分かります。
また、多くの管理会社様が売買提案活動に積極的な背景がある一方で、「オーナー様との接点が少ない」「資産情報を把握し、社内で管理ができていない」などの課題があるようです。お問い合わせや、直接営業訪問の場合、提案の機会が限られ、接点も均等に保ちづらいこと、情報の粒度が管理しづらいなど提案手段に起因している課題が多いと考えられます。
今回は、各社様の課題を踏まえ、売買提案における活用方法を株式会社大興土地建物管理様にご登壇いただき、詳しくお聞きしました。
【登壇者紹介:株式会社 大興土地建物管理】
株式会社大興土地建物管理は人口約40万人の宮崎県宮崎市の管理会社様です。
今年で創業50周年の歴史ある企業ということもあり、オーナー様の中には、ITに不慣れなご高齢な方も多くいらっしゃいます。にもかかわらず、アプリの平均起動回数はいつもトップクラスを保ち、オーナー様に高い活用度や関心度を持っていただいています。一体どのようにWealthParkを導入・活用し、売買提案につなげられているのでしょうか。導入・活用ポイントに加え、現在活用いただいているアプリ内の物件広告機能についてご紹介いただきました。
導入ポイント:フェーズごとに「テーマ」を設定して段階的に導入を推進
大興土地建物管理様は、ステップごとにテーマを明確化し、導入をすすめられました。
01_親和性の高いオーナーの特定
導入前には、「親和性の高いオーナー様の特定」をテーマにセミナーを開催し、アプリ導入がスムーズに進むための下準備を実施しました。セミナーはその場で、複数のオーナー様のサポートを行える効率性だけでなく、オーナー様導入のための「社員の気持ちを高める」効果もあったようです。
02_オペレーションの一部デジタル化
導入初期(第一期)ではコロナ渦に直面し、対面で提案する機会が減少したことや、「1対1」の提案営業が非効率的という現状を克服するために、「オペレーションを一部デジタル化」とテーマに掲げ、「1対複数人」の提案営業への移行を決意されたそうです。一人の社員が必死に提案し、1か月で約20~30人リーチしていたのが、たった10分で100人以上に情報発信が可能になり、頑張らずに売り上げを出す仕組作りを実現されています。
03_完全デジタル化の実現へ
導入開始から1年経過したオーナー導入(第二期)のフェーズでは、「完全デジタル化の実現へ」をテーマに設定。さらなるデジタル化を進めるために「紙廃止宣言」をされました。ここで先ずは分譲マンション所有の比較的若いオーナー層からから、そして紙廃止への不安を持つオーナー様に対しては、デジタル化のメリットを事前に説明し、入念なサポートをしたうえでの開始をすることをポイントとされています。
活用ポイント:WealthParkを基盤とした、タイムリーかつ細やかなコミュニケーション
WealthPark導入後の活用におけるポイントとして、「オーナー様とのコミュニケーション」にスポットをあて、大きく3つご紹介いたしました。
1つ目が災害前後の連絡です。大興土地建物管理様が位置する宮崎県は、台風が多く通過する地域ということもあり、少しでもオーナー様に安心していただけるよう、災害前後に送るメッセージの工夫をされています。例えば、台風前には、台風対策・台風情報がご覧になれるサイトや、万が一のことがあった場合のコールセンター情報などを毎回通知されています。災害後も、写真添付機能を駆使しながら、被害の状況や修繕の報告や確認作業などの報告をこまめにされています。特に、現場の情報が少なく、大きく心配をされる県外オーナー様に対して、タイムリーな情報発信を心がけているそうです。
2つ目が設備・リフォーム提案です。リフォームの成功事例や、借主のニーズ、タイムリーな賃貸市場の情報などを発信することで、オーナー様を啓発し、オーナー様自らお問い合わせをいただくことを狙いとされています。当初はオーナー様の反応が薄かったものの、少しずつ、反応が見られ、ついに、リフォームの成約が決まり、空室が続いていたお部屋も埋まったといいます。チャットの一斉送信機能で、「1対複数人」の営業提案を実現し、提案機会の獲得に成功された事例となりました。
最後は収益物件のご提案です。チャットに登録いただいているオーナー様の多くが「投資家」という特性を活かし、チャットで最新の物件情報を発信されています。そして、物件情報をそのままお知らせするだけではなく、「登録されているお客様限定」など、特別な物件情報であることを伝えることで、オーナー様の興味をひく内容となるような工夫をされています。
デジタルを最大限に活かし、密なコミュニケーションを通じた関係構築が今後、さらなる機会獲得へとつながることと期待されます。
3.オーナーアプリ内の「物件広告機能」の活用
WealthParkアプリには「 物件広告機能」が新たにリリースされ、現在トライアルにて物件広告を配信いただくことができます。アプリ内で簡単に広告が配信できるので販売物件の新たなプロモーションになることが期待できるだけでなく、アクセスレポートから、オーナー様の購入、売買意欲を検知することが可能になりました。
ー実際に3か月間のトライアルで、創出できた効果をご紹介いただきました。
アプリを活用いただいているオーナー様が全体で120名いらっしゃるのに対し、約25%の方が物件に興味を持ち広告をクリックをされました。10名の方が物件購入のお問い合わせをし、1件の売買が成立しました。
今回のトライアルでお問い合わせをいただいた10名中2名は、担当者様のノーマークオーナーだったそうです。今までは、売買担当者様が、直接の訪問や架電営業を行い、独自の分析でオーナー様を絞って提案をされていましたが、今回この物件広告機能を使い、1対1の提案営業では見落としていたオーナー様に対しても接点を持ち、提案機会を得られたことも大きな収穫となりました。
また、業務効率化の観点からも、以前はオーナー様の特性の分析から提案準備、訪問まで全て一人で行っていましたが、「お問い合わせいただいたオーナー様に資料を渡すだけ」までに削減。お問い合わせをされるオーナー様の購入意欲が高く温度が高い状態でスピード感を持って取引が進められるため、売買成立につながりやすいという効果もありました。
さらに、今回購入のご相談の中では、ご提案中のオーナー様の売却のニーズを読み取ることもでき、「管理のオーナー様から管理のオーナー様へ」といった理想的な両手仲介の売買も実現されたそうです。
日頃のオーナー様とのコミュニケーションで得られた信頼関係、デジタルで可能になったオーナー様への情報発信、そして原田さんを中心とした大興土地建物管理様の丁寧なご提案により実現された素晴らしい成功事例をご紹介いただきました。
オーナー様とのやり取りが多い管理業において、コミュニケーションのデジタル化はより迅速で、効果的な報告や提案が実現可能です。
大興土地建物管理様、原田様、導入事例・活用事例など、ご貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました。
登壇企業:株式会社 大興土地建物管理 ホームページ
https://www.taikogroup.com/
当社はこれからも不動産業界のIT導入を後押しし、不動産管理会社様の業務効率化とオーナーコミュニケーションの活性化を目指し、各種イベントやサービスを展開してまいります。次回も是非ご参加ください。