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2023.02.01

特別対談企画(後編)「常に相手のために働けますか?」旭川シェア30%を誇る生活プロデュース代表が語る経営者のあり方

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「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第18回は、北海道旭川市で総合的に不動産業を展開する、株式会社生活プロデュース 代表取締役神氏にお話を伺いました。
後編では、旭川への想いやDX戦略、管理業界の未来についてお話しいただきました。(後編/全2回)

ゲストプロフィール

株式会社 生活プロデュース 代表取締役 神 幸博 氏
釧路市内の高校を卒業後、㈱関東自動車工業へ入社し、神奈川県横須賀市にある同社トヨタホームユニット住宅工場で2年間勤務する。20歳のときに北海道へ戻り、2年間勤務した後、起業を志し、不動産会社へ転職。15年間の在職中に、賃貸事業部部長や管理事業部部長を経験する。2006年に生活プロデュースを設立。趣味は春から秋はゴルフ、冬はアイスホッケー。大切にしていることは「地域で一番早く取り組む」こと。

目錄

旭川一になりたい真っ直ぐな想いが会社を大きくした

――前編では、事業という枠を超えて、旭川との関わりに力を入れていることが伝わってきました。なぜ、ここまで生活プロデュースは旭川に強く関わろうとするのでしょう。

神:何でも良いから旭川で一番になろうと考えたからです。それであれば管理戸数で旭川一になろうと、ここまで進んできました。僕は管理戸数1,500戸を収益分岐点と考えてます。この数字を超えた辺りから、数を伸ばすのであれば一番になろうという意識の方が強くなりましたし、社員にもこの意識を共有していました。

同じ頃から意識し出したのが、他社との差別化です。その一つが「24時間体制の管理」でした。旭川で最初にこの体制を導入したのは当社ですし、業界的にも早かったと思います。僕の中ではお客様にとって必要なサービスと考え、当社負担で外部へ委託していたのですが、当時の不動産業界では、まだお客様に対し必要な投資だとは思われていなかったように感じます。

――地域性も影響しているのでしょうか?都内などに比べ、大雪などで緊急対応が必要になる確率が高いのかなと。

神:おっしゃる通りです。冬の旭川はマイナス20度近くになるので、暖房器具がないと凍死してしまいますから。今でこそ入居者の安心サポートというのが当たり前になってきましたが、24時間対応の必要性は、当時から他の地域より感じていましたし、僕も実際に緊急電話の対応をしていたことがあります。

――驚きました、神社長も対応されていたのですか。

神:はい。お客様の電話を受け、何度か駆けつけたことがあります。冬季になると雪に関する相談が多いため、除雪車の免許を取得しました。実際に除雪車を走らせ、除雪対応を行うこともしばしばです。

「トップダウンしかない」業務のデジタル化に対する社長の想い

――話は変わりますが、不動産業界でも業務のデジタル改革(DX)が話題になっています。特にこの数年は新型コロナウイルスの影響で、業務のデジタル化を促進された企業は少なくありませんでした。

神:言葉を選ばずに言うと、生活プロデュースも、コロナ禍にDXの背中を押されました。新型コロナウイルスが感染拡大するにつれ、非接触や非対面による対応が当たり前になりましたし、モノに触れること自体、皆様が嫌に なっていると感じています。

DXの推進やデジタルの活用は不動産業でも必須です。しかし、システムを入れれば良いという問題でもない。人も含め、改革の必要があります。とはいえ、これだけ戸数が増えてくると、精算書一つ取っても、その処理は膨大ですし、コスト的にもどうなのかと考えていたからです。

――社会情勢を踏まえ、デジタル化の必要性を理解している一方、社員へどのように伝えるかが大変だと思います。神社長はどのようにDXを進めましたか?

神:こればかりは、トップダウンしかないと思います。ただ、どう理解してもらうかも含め、当然相手をケアしなくてはいけません。トップダウンで進める時は、一斉に発信することもありますが、僕の想いだけが一方通行となり、相手が疑問に思ってることを解消できないまま終わってしまうことも、少なくはありません。

そのため、個別でのケアを意識し、それぞれのメンバーとコミュニケーションを図るようにしています。ただコロナ禍に入ってからは、対面でのコミュニケーションの機会が減ってきていることもあり、新たな関わり方を模索しているところです。

――考えがクリアで、分かりやすいですね。ただ、世間で見ると、社長のトップダウンだけで話が進められない会社の方が多いと思います。

神:社員と僕の共通認識が同じ方向を見ているからこそ、当社では実現できたのだと思います。いろいろなことが新しく変わっていくその場だけを見ていると、社員のモチベーションは下がる一方でしょう。社長の役割は、変化のその先を社員へ具体的に伝え、その目標を乗り越えた先に何があるかを示すことです。DXを進めた先に何が待っているのかをどう示すかが、社長や経営陣に試されるのではないでしょうか。

何はともあれ、まずは旭川ブランドの価値向上から

――最近、北海道の魅力を再確認するようなニュースや報道をよく見かけます。

神:この数年で、倶知安(ぐっちゃん)やニセコ、富良野などが注目されてますよね。旭川は札幌に次ぐ第二の都市と言われながらも、その差は大きく、人口も減少しているのが実情です。この街が本当の意味で第二の都市になる方法を考えると、観光業だけでは限界があると感じています。

――地域の価値を高め、人々を動かすのには何が大事になると神社長は考えますか?

神:自然の美しさや食べ物の美味しさをはじめ、ユネスコデザイン都市であることや家具の街であることなど、旭川の魅力をもっと海外へアピールし、何とか海外とコミュニケーションが取れるようになっていくと、旭川の価値もニセコのように上がり、日本国内からも認知されていくのではないでしょうか。そのためにも、北海道の中にある旭川というブランドを、もっとアピールできるかが鍵になると考えています。

――不動産という立ち位置からは、どのようなことを発信する必要がありますか?

神:旭川の物件は収益物件として見ると、利回りは良いです。ただ、富良野の出入り口として旭川が見られてしまうと、投資する意欲が違う方へ向いてしまうと危惧しています。旭川が通過点で終わらないよう、北海道・旭川をアジアへ発信しつつ、ニセコ、富良野などに興味を持ってくれた方にも取引してもらえるような流れを作っていきたいです。

――生活プロデュースでは、外国人人材の採用を行っていますよね。

神:はい。例えば、当社ではベトナム出身の社員が2名働いています。社員とのつながりを活かし、いつかアジア諸国にも支店を出せたらと思っています。

管理業務はお客様の資産を活用する部門へ変わっていく

――神社長から管理会社で働く皆様へメッセージをお願いします。

神:お客様と最初に接する部署ということもあり、管理業務に携わっている方々には、ぜひご自身の業務にプライドを持ってほしいと思います。どうしても不動産業に携わっていると、売買業務が花形のようなイメージがあるかもしれませんが、管理業務は情報を得るために必要なポジションです。管理業務を資産活用業として捉え、仕事のレベルをあげていってもらいたいです。

――資産活用業へ高めていくためにも、具体的にどのようなことができると思いますか?

神:オーナー様から相談される事柄について、勉強することです。例えば、相続や税金に関する内容を勉強していくと、そこから売買につながっていきます。事業としての広がりも期待出来るはずです。

――お客様のお悩みを最初に聞く部署だからこそ、出来ることかもしれません。

神:管理業務は、オーナー様の資産をどう運用していくか、どう高めていくかを本当の意味で考えられる部署だと 思っています。今までの管理業務という概念を捨て、資産活用という上で「我々がトップにいるんだ」というぐらいの意識を持ち、仕事をしていただきたいです。

――神社長、ありがとうございました。

前編はこちら

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社生活プロデュース

代表取締役 神 幸博
旭川市神楽2条9丁目1-1
会社ホームページ: https://www.life-pro.net/

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社生活プロデュース
Contact: https://www.life-pro.net/inquiry/

WealthPark株式会社 広報担当
Mail: pr@wealth-park.com

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