Report

2025.9.25

【不動産業界のDX推進状況調査 2025】不動産テック企業7社・不動産メディア共同企画 ~98.6%がDXを推進すべきと回答、75%以上の企業がDXによる効果を実感~

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不動産テック企業7社と全国賃貸住宅新聞は、不動産関連事業に従事する1,286名に対して行ったアンケート「不動産業界のDX推進状況調査 2025」の結果を発表いたします。

◎本調査における「DX」は不動産テックサービスなどを活用して業務改善を行うことと定義しています。

 調査サマリー

  • DXを「推進すべき」は98.6%。「取り組んでいる / 取り組む予定」は68.0%
  • DXの取り組み期間は、1年以上の割合が約3分の2となる67.4%で、「3年以上」は3分の1の31.9%であった。多くの企業は継続してDXを推進している
  • DX経験者の76.2%がDX推進の効果を実感。得られた効果の上位は「従業員の生産性向上」「残業時間の削減」「業績の向上」
  • DXにかけている年間予算は50万以下と回答した人のうち80.8%が従業員10名以下、501万以上と回答した人のうち83.7%が従業員101名以上と、会社規模が予算に直結している
  • DXに取り組まない理由は約半数の48.6%が「予算がない」から。さらに、「取り組み方がわからない」「適任人材がいない」を合わせると43.4%にのぼり、「予算がない / わからない」が取り組まない主な理由に
  • 生成AIの活用に興味がある人は65.3%。一方で「AIを活用している / 活用予定」は46.3%と現状はまだ2割程度のギャップがある
  • 使っている生成AIは「ChatGPT」が85.5%、「Gemini」は昨年の約4倍に増加。活用方法について、「情報収集」「物件などの紹介文作成」「顧客対応などの文章作成」など
  • 11.1%は1ヶ月あたり10時間以上の業務削減を実現。一方で1時間未満が31.4%とAIの活用はまだまだ伸びしろあり
  • 不動産DX、生成AIについての情報収集の方法はSNS、YouTubeが昨年から大きく増加、紙のメディア、業界イベントによる情報収集に迫る

◆DX推進すべきは98.6%で昨年とほぼ横ばい。「取り組んでいる / 取り組む予定」は68.0%で昨年から微増

 DXを推進すべきか質問したところ「強く推進すべき」「推進すべき」「状況に合わせて推進すべき」と回答した人の合計が98.6%と、昨年の99.0%とほぼ同じ結果となりました。実際にDXに取り組んでいる / いた・予定」の回答は68.0%で昨年から微増、DXの必要性が定着してきていることが分かります。

◆ DXの取り組み期間が「1年以上」は約3分の2となる67.4%で、 3年以上は3分の1の31.9%。DXに取り組んでいる企業は継続して利用

 DXに取り組んでいる期間について質問したところ、「1年以上」が全体の約3分の2となる67.4%に。「3年以上」は31.9%で、DXを導入した多くの企業は継続して取り組みを続けていることが分かりました。また、DX推進の目的は、「業務効率化」が最も多く92.9%で、次いで「生産性向上」が60.2%、「顧客満足度アップ」が37.1%でした。

◆ 76.2%がDX推進の効果を得ていると回答。得られた効果の上位は「従業員の生産性向上」「残業時間の削減」「業績の向上」

 「DXに取り組んでいる / いた」と回答した人のうち「とても効果を実感している」は18.3%、「まあまあ効果を実感している」は57.9%と、計76.2%が効果を実感していることが分かりました。具体的な効果について聞くと、「従業員の生産性が向上した」が67.4%、「残業時間を大幅に削減できた」27.3%、「業績が向上した」24.7%でした。

DXにかけている年間予算は50万以下と回答した人のうち80.8%が従業員10名以下、501万以上と回答した人のうち83.7%が従業員101名以上と会社規模が予算に直結

 DX推進における年間予算は69.6%が100万円以下と回答。さらに予算ごとで区切ると、50万円以下と回答した人のうち従業員10名以下の企業が80.8%、501万以上と回答した人ののうち従業員101人以上の企業が83.7%と、会社規模によって年間予算に直結していることが分かりました。

DXに取り組まない理由は約半数の48.6%が「予算がない」から。さらに、「取り組み方がわからない」「適任人材がいない」を合わせると43.4%にのぼり、「予算がない / わからない」が取り組まない主な理由に

 「DXに取り組む予定がない」と答えた方に取り組まない理由を聞くと、約半数の48.6%が「予算が掛けられない」と回答。さらに「取り組み方がわからない」「社内に人材がいない」を合わせると43.4%となり、社内でDXを進められる人材がいないことも大きな理由の一つであることが分かりました。

DXを推進するうえで苦労する/したこと(n=403)

1位 「予算がかけられない」 48.6%
2位 「取り組み方が分からない」 22.1%
3位 「社内に人材がいない」 21.3%


◆ 生成AIの活用に興味がある人は65.3%。一方で「AIを活用している / 活用予定」は46.3%と現状はまだ2割程度のギャップがある

 生成AIの活用に関しては65.3%が興味があると回答。所属する会社・部署ではどの範囲で生成AIを活用しているかの質問に対し、約半数となる49%が個人判断で活用、会社全体での活用は24%にとどまりました。一方で、現在活用しているかという質問に「活用している / 活用予定」と答えたのは46.3%と、「興味はあるが活用できていない層」が2割ほどいることが分かりました。

使っている生成AIは「ChatGPT」が85.5%、「Gemini」は昨年の約4倍に増加。活用方法について、「情報収集」「物件などの紹介文作成」「顧客対応などの文章作成」への活用が目立つ

 活用 / 予定 / 検討、過去に活用していた生成AIについて聞くと「ChatGPT」が85.5%と昨年に続き最多だった一方、「Gemini」が昨年10.6%から約4倍の38.8%に増加。生成AIの使い分けや多様化も進んでいることが分かりました。また、生成AIの活用方法について聞くと、過半数である56.1%が「情報収集」に活用していることが分かりました。さらに「物件の紹介文などの作成」は48.1%、「顧客対応や問合せ対応文の作成」は41.9%など、主に文章作成で生成AIを活用していることが分かりました。

11.1%は生成AIを活用して1ヶ月あたり10時間以上の業務削減を実現。一方で1時間未満が31.4%と活用にはまだまだ伸びしろあり

 生成AIを活用している人に対して、1か月あたりどれくらい業務時間を削減できているか聞くと、11.1%が10時間以上の業務削減を実現していることが分かりました。一方で、31.4%は1時間未満と回答しており、生成AIの活用方法に関してはまだ伸びしろを感じる結果となりました。

不動産DX、生成AIについての情報収集の方法はSNS、YouTubeが昨年から大きく増加。紙のメディア、業界イベントによる情報収集に迫る

 不動産DX、生成AIについての情報収集は、「不動産・住宅業界メディア(WEBメディア)」が最多で61.3%であることが分かりました。SNSでの情報収集は4人に1人となる25.6%と、昨年の18.4%より上昇。YouTubeも10.3%から17.5%に増えており、昨年10%以上差のあった「不動産業界イベント」や「不動産・住宅業界メディア(新聞)」などに迫ってきていることから、情報収集の方法も少しずつ変わってきていることが分かりました。


導入中/導入進行中が多いのは「賃貸管理」「入居申込」「内見予約」「電子契約」のシステム

 現在導入中または導入進行中の不動産テックシステムについて質問したところ「賃貸管理システム/不動産基幹ソフト」が最も多く45.9%、次いで「入居申込システム」が43.8%、「内見予約システム」が38.8%、「電子契約システム」が34.1%でした。


満足度が高いのは「内見予約」「入居申込」「AI査定」「電子契約」のシステム

 導入中の不動産テックサービスの満足度について質問したところ、「とても満足/まあまあ満足」の回答が最も多かったのは「内見予約システム」で80.9%、次いで「入居申込システム」が79.6%、「AI査定システム」が79.4%、「電子契約システム」が77.9%でした。

◆ 総括
 DX推進状況調査を実施して5度目となる今回、DX推進に関する各企業の意識に大きな差がなくなってきていることから、「定着期」への移行が感じられる結果となりました。DXを進めている企業の4分の3は効果を得ていることに加えて、業務時間の削減を感じる人も増えています。

 一方で、DX推進を進めていない企業の数もあまり変わって減っておらず、取り組まない理由が「予算」と「対応できる人材がいない」部分にあるため、今後より多く人が活用していくためには、DX推進ができていない企業へ向けたベンダーのアプローチも重要であることが見えてきました。

 DX推進している企業と推進できない企業の2極化が進んでいかないためにも、私たち不動産テック企業・不動産メディアは、システムの開発・提供、コンサルティング、正確な情報提供など、様々な側面から不動産取引に関わる全ての方々をサポートし、不動産業界全体のDX推進に貢献してまいります。



◆ アンケート概要
・実施期間:2025年7月4日(金)~8月19日(火)
・回答数 :1,286名
・調査対象:不動産管理会社、不動産仲介会社を中⼼とした不動産関連事業者
・実施⽅法:インターネットによる調査
・回答企業属性:以下詳細 

*構成比の合計は、四捨五入の関係で100%とならない場合があります。
*昨年実施された「不動産業界のDX推進状況調査 2024」の回答数は1,321名で、昨年版と比較して設問・選択肢が異なるものがあります。
*本プレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

 


◆ WealthPark株式会社
代表:代表取締役社⻑ 川⽥ 隆太
本社:東京都渋⾕区東3丁目14‐15 MOビル2階
URL: https://wealth-park.com/ja/
サービス:オーナーアプリ「WealthParkビジネス」 

◆ イタンジ株式会社
代表者:代表取締役 社長執行役員 CEO 永嶋 章弘
本社:東京都港区六本⽊3-2-1 住友不動産六本⽊グランドタワー 42F
URL:https://www.itandi.co.jp/
サービス:リアルタイム不動産業者間サイト「ITANDI BB」、賃貸管理の業務支援サービス「ITANDI 賃貸管理」、賃貸仲介の業務支援サービス「ITANDI 賃貸仲介」、不動産売買の業務支援サービス「ITANDI 売買 PropoCloud」

◆ COSOJI株式会社
代表者:代表取締役社⻑:富治林 希宇
本社:東京都千代田区丸の内3丁目3-1 新東京ビル
URL:https://cosoji.jp/
サービス:不動産管理サービス「COSOJI」

◆ 株式会社シンカ
代表者:代表取締役社長CEO 江尻 高宏
本社:東京都千代田区神田錦町3-17 廣瀬ビル10F
URL:https://www.thinca.co.jp/
サービス:コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」

◆ 株式会社スペースリー
代表者:代表取締役社⻑ 森⽥ 博和
本社:東京都渋⾕区渋⾕3-6-2 第2⽮⽊ビル3F
URL:https://corp.spacely.co.jp/
サービス:  360°パノラマVR・AI物件撮影アプリ「スペースリー」

◆ スマサテ株式会社
代表者:代表取締役:⼭岸 延好
本社:東京都品川区上⼤崎3-3-1 自転車総合ビル 8F 
URL: https://sumasate.co.jp/
サービス: AI査定賃料システム「スマサテ」

◆ 株式会社スマサポ
代表者:代表取締役社⻑CEO ⼩⽥ 慎三
本社:東京都中央区⽇本橋三丁⽬6番2号
URL:https://www.sumasapo.co.jp/
サービス:⼊居者アプリ「totono」

◆ 株式会社全国賃貸住宅新聞社
URL:https://www.zenchin.com/
発⾏媒体・事業:全国賃貸住宅新聞、地主と家主、賃貸住宅フェア

<本件に関するお問い合わせ先>
WealthPark株式会社 法人担当
Mail:saasbiz@wealth-park.com