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2021.03.12

特別対談企画(前編)コスギ不動産小杉氏に聞く、時代の変化に沿った「大家族主義」企業の発展と未来

「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第6回は、熊本県全域で不動産管理サービスを提供され、また観光業や地場プロスポーツチームへの協賛など、幅広い活動で地域に愛される株式会社コスギ不動産 代表取締役社長 小杉周司氏にお話を伺いました。
前編では、コスギ不動産様の創業ストーリー、小杉氏が不動産業界に入られた経緯や社長就任後に推進されたデジタル化についてお聞きしました。(前編/全2回)

ゲストプロフィール

株式会社コスギ不動産 代表取締役社長 小杉 周司氏
熊本県出身。高校卒業後、福岡の不動産会社に入社。1996年コスギ不動産に参画し、2018年6月から代表取締役社長に就任。趣味はゴルフとジム。

目次

元刑事の父と根っからの商売人の叔父が二人三脚で始めた不動産業

――まずはコスギ不動産様について、簡単にご紹介いただけますでしょうか。

小杉社長:コスギ不動産は今期で36期目になりますが、元々は現在の会長である私の叔父と、会長の兄であり熊本県警で刑事を20年務めた私の父が、祖父が寝たきりになったことをきっかけに、兄弟で一緒に商売をやりたいと始めた会社です。まず叔父がアパートの一室で前身となる会社を立ち上げ、刑事時代に宅建を取った父が県警を退職するタイミングで社長として入り、叔父が専務取締役となって、法人化しました。

――お父様は公務員を経て不動産業界に入られたのですね。当時としても珍しかったのではないでしょうか。

小杉社長:捜査二課の刑事として働いていた父は、県外への移動や深夜まで仕事が及ぶことも多く、祖父が倒れたことで考えるところがあったのだと思います。また、祖父は過去に菓子メーカーを営んでいましたので、父も商いに対する興味はあり、兄弟で事業を一緒に起こしたいという思いは前々から持っていたそうです。とはいえ、20年間公務員として働いた父ですから、10年間不動産会社の社長を務めた間も、やはり石橋を叩いて渡るタイプでした。一方、弟である叔父は10以上の異なる商売を手掛けた根っからの商売人。多種多様な業種に挑戦した結果、人のお世話をすることが向いていると最後に不動産業を始めました。商売の世界で生きてきた叔父と刑事上がりの手堅い父の二人三脚で、時にはアクセルとブレーキの様なバランスでバブルも乗り越え、なんとかやってきました。

会社は「一つの大きな家族」。助け合いながら伸びていくことを目指す


――小杉社長がコスギ不動産に参画されたのはどういった経緯だったのでしょうか。

小杉社長:警察官の息子は警察官を目指すものかもしれませんが、幼い頃から叔父に可愛がってもらっていた私は、将来は叔父の様に自分でビジネスを起こしたいと考えていました。堅実派の父が10年も古いカローラに乗っている一方、叔父は若くしていつも好きな高級車を買っていて、子供ながらに公務員よりも商売人が良いなと(笑)。高校を卒業して、大学には進学せずに働きたいと思っていた矢先、不動産業は様々な業界と接点があるので、その中で自分のやりたい事業を見つけたらどうかと父に勧められ、紹介してもらった福岡の不動産会社で4年程勉強しました。当初はコスギ不動産に入る予定はありませんでしたが、結果的に社長になった叔父から声がかかり、入社しました。

――お父様から叔父様へ、そして2018年には小杉社長へと代替わりされていらっしゃいますが、よく耳にする様な親族内での代替わりにまつわるご苦労はなかったのでしょうか。

小杉社長:父と叔父の兄弟仲が良いことが弊社の強みでもあり、ファミリービジネスに付随しがちな兄弟や親子の揉めごとはこれまでないですね。私以外にも叔父の子供が参画していますが、互いを尊重しながら経営ができる非常に恵まれた環境だと自負しています。
父から叔父に代替わりし、続いて私が継ぐことになりましたが、私自身は叔父の後に社長に就くことは考えていませんでした。叔父はまだ50代後半で感性も若く、早過ぎる交代ですが、今後は不動産業界もIT化が進んでいくので、若い世代が若い感覚で経営した方が良いと、早めのバトンタッチを望んでいました。私が一旦は引き継ぎましたが、さらに良い形で次に引き継ぐつもりで経営しています。また、親族の輪を強みとして持っていくと同時に、弊社の理念の一つとして「大家族主義」を掲げています。会社を「一つの大きな家族」として捉え、互いに切磋琢磨しながら、皆んなで助け合い、伸びていくことを目指しています。

会社として成長する為に、企業としての組織づくりを徹底的に実施

――代々引き継がれて維持されている理念が、会社全体にも浸透されていらっしゃいますよね。

小杉社長:創業時から「信用・信頼」を大事にしようと言い続けています。語弊を恐れずに言えば、不動産業はだまして儲けることも簡単にできます。例えば、なかなか決まらないマンションを一時的に購入することで埋めて販売したり、土地を単に安く買って高く転売したり。そうしたこともやろうと思えばできるわけですが、世代交代する時も常に語り継がれてきた「信用・信頼」に基づいて、原理原則をつくっています。創業者や当時を支えた専務の理念を、私達も社員も体感していますので、代替わりしても原理原則に対する否定的な考え方は出てこないですね。

――御社の従業員は熊本ご出身の方が多いですよね。また、一度入社されたら長く勤められている方が多くいらっしゃると伺いました。

小杉社長:弊社の離職率の低さは、離職率が高い不動産業界の中で強みと言えます。産休・育休を取得して戻ってくる女性社員も非常に多いですね。15年程前に新卒採用に切り替え、中途採用は基本的に行わない方針に踏み切ってから福利厚生や制度を整えてきたことで、長く勤めやすい会社になってきたと思います。

――15年前というとリーマンショック直前ですよね。今でこそ不動産業界でも組織づくりや福利厚生を重視する流れになってきましたが、当時の御社としてはどの様な意思決定を経てそうした舵取りをなされたのでしょうか。

小杉社長:当時は従業員数が30名、管理戸数が3000戸、売上げの比率は売買が6割、賃貸が4割でした。中途入社が多く、給与はほぼ歩合で、昇給も制度立てられておらず、ブローカーの集まりの様な雰囲気も色濃くありました。しかし、そうした「個人商店」的な経営ではなく、企業として組織づくりをする為に、新卒採用に切り替え、歩合制を完全に廃止し、人事考課制度を導入しました。結果的に退職した社員もいましたが、会社として成長する為の必要な方向転換として、徹底的に推進しました。そのタイミングで部門別会計も取り入れ、会社の財務情報もオープンにし、新人教育、有給休暇や育児休暇といった福利厚生も仕組みの一部として整えていきました。10年かけて、ここ最近でようやく会社らしくなったというのが正直なところです。

現場の推進力によって想定以上のスピードで進んだデジタル化

――画期的な方向転換ですね。デジタル化に関しても、御社の動きは管理業界の中でもいち早く、今回のコロナによる影響を受ける以前から様々なお取り組みをされていらっしゃる印象です。

小杉社長:実は、コロナの影響でデジタル化やシステム化が加速した部分はあまりありません。社長就任時に、私が入社した20数年前から何ら変わりがないことを痛感し、これまで粘り強く変革を進めてきました。
例えば、送金明細は紙で送り、退去時の敷金精査は間取り図を持って現地で手書きで行い、写真を撮っても会社に戻ってデータを入れ替えて、やり取りは依然としてファックスを使う。この様に業界自体のデジタル化が昔から進んでおらず、様々な仕事が属人化している状況でした。熊本は東京の様に市場の拡大を期待できませんので、生産性を上げていくしかありません。生産性を上げるには仕組みを変える必要があると判断し、来店受付、精算、写真保存に関してはシステムを導入し、ファックスも廃止しました。
これまで順調に変革を進められたのは、私一人の力ではなく、現場のマネージャーの推進力に尽きると思います。優秀な人材が中堅で育ってきたので、現場の機動力が高く、想定以上のスピードでデジタル化・システム化を実行してきました。導入期はどうしても苦労する期間が数ヶ月ありますが、成功体験が少しずつ積まれてくると、一気に進むと実感しています。

以下、後編につづく

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社コスギ不動産

代表取締役社長:小杉周司
本社所在地:熊本県熊本市中央区九品寺2丁目6-57
事業内容:不動産売買、不動産仲介、不動産分譲、賃貸仲介、賃貸管理、不動産証券化、資産運用コンサルタント、第二種金融商品取引業

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社コスギ不動産
代表電話番号: 096-366-5000

WealthPark株式会社 広報担当
Mail:pr@wealth-park.com

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