2020.12.17
管理拡大200件/年を実現するためのオーナー戦略
2020年9月28日、WealthParkでは管理会社さま向けに『管理拡大200件/年を実現するためのオーナー戦略 』と題し、100名規模のウェビナーを開催いたしました。大変好評をいただいたため、その様子をノーカット文字起こし形式でお届けします。
WealthPark 講師紹介
本記事におけるデータ(登壇者の役職、アンケートデータなど)は全て2020年9月時点のものです。
はじめに
今回は「管理拡大200件/年を実現するためのオーナー戦略」と題し、「管理会社さまがどう管理戸数を拡大していくか」「管理会社さまはどうオーナーさまとコミュニケーションを取るべきか」についてお話していきます。
TOC
オーナー視点から考える戦略
まず、弊社にて実施したオーナーさま向けアンケートの内容をご覧ください。
オーナーさまに「新型コロナウイルスの影響のうち、ご自身の不動産投資に関して不安なことを教えてください」というアンケートを実施した結果、何らかの不安があるとお答え頂いた方は92%にいたりました。
その中でも「入居者の退去」「空室の長期化」などは大きな割合を占めており、次に「売却価格の減額」や「家賃の滞納」が挙げられています。オーナーさまとのコミュニケーションにおいてはこの不安を払拭する提案を中心に行う必要があることをご理解いただければと思います。「新型コロナウイルスの影響を踏まえて、ご自身の物件に関して何かご検討されていますか?」というアンケートも行ったところ、「コロナ禍だからこそあえて新規物件を購入したい・保有物件を売却したい」と回答した方が21%もいます。
管理会社さまの視点では、「このオーナーさまの意向がキャッチできたのか、オーナーさまからご相談いただけたのか?」というのが大事なポイントになってきます。
管理会社のキャッシュフローを増やすステップ
次に、管理会社さまのキャッシュフローを増やすステップについて解説します。
当然ながら、オーナーさまの支出を下げ、収入を上げていただくために空室対策は大事です。「平時・有事問わずコミュニケーションが取れるかどうか」「きちんと空室対策の提案ができるか」がオーナーさまの満足度に大きく関わります。
不動産業界の特徴と管理戸数拡大のためのステップ
ご存知の通り不動産業界は競合が多く、人口も減少の一途です。またWEBポータル上では物件の差別化が難しく、仲介では参入障壁が低さも差別化を難しくしています。そんな業界ですので、フロー収益(仲介)に加え「ストック収益(管理)」の2つを持つことで、他社との差別化を図ることが非常に重要です。
差別化をしていく上では管理を受託する必要がありますが、管理戸数拡大のためには4つのステップがあります。オーナーさまの資産状況を把握し、管理解除を防止し、新規を獲得していくというステップです。
重要指標「管理解除率」について - 管理解除率2%の差が見せるもの –
今、管理解除の話が出ましたが、「管理解除率」は非常に重要な指標です。
仮に
・A社の管理戸数が3000戸
・管理解除が年間60戸
・受託が年間240戸
とした場合、管理解除によるマイナスが60戸あっても受託が年間240戸あれば結果3180戸の管理戸があることになります。
一方、
・B社の管理戸数が3000戸
・管理解除が年間120戸
・受託による管理増はA社と同じ変わらず240戸
とした場合、管理獲得率は8%の同率で変わりませんが、管理解除率は前者2%、後者4%と倍となります。
管理解除率の「たった2%の差」は、長い目でみると大きな収益の差をもたらします。
管理収入は複利計算になり、長期的に収益に影響を与えます。2%が積みあがると年間の損失額が大きくなります。
5年通して管理戸数を見るとたった460戸の減ですが、利益率で見ますと平均賃料6万と管理手数料率5%、5年間で5100万円も収益に差が出てきます。
改めてPM事業の収益モデルについて考える
こちらの図はPM事業のコスト構造です。管理手数料による売上は減る一方で、原状回復費、工事費などの原価は膨らんでいきます。
そのうえ、特に新規管理受託が困難になっている今、しっかりと既存のオーナーさまを「守る」戦略こそが大切です。
PM事業の利益が下がる理由を探ると、大きくAB2つの要因が考えられます。要因Aは「売上の低下」、要因Bは「コストの増加」です。
要因Aですが、管理獲得率より管理解除率が上がっているケースがあります。そういう場合は赤信号と捉え、オーナーさまとのコミュニケーションを強化していきます。
要因Bであるコストの増加についても、更に細かく見ていくと「人件費単価が上がった」「管理部の人員が増えた」「業者への委託費用が上がった」などの細かい要因が見えてきます。
このうち「人件費」によるコスト増は、テクノロジーで代替可能な部分です。代替可能なものはオーナーアプリなどのテクノロジーを活用し効率化しコストを抑えることも重要です。
オーナーアプリを使ったコミュニケーションオーナーアプリを使ったコミュニケーション
これまでお話してきたように、「オーナーの売買意向などをきちんとキャッチする」「管理解除率を下げ、既存の管理戸数を守る」ことは非常に重要です。そのために必要なのは非常にシンプルですが、やはり「オーナーさまとのコミュニケーション」です。
最後のパートではオーナーアプリを使ったコミュニケーションについてお話しします。
オーナーアプリを利用しオーナーさまと管理会社さまのつながりを太くすることで、満足度を高めるだけではなく「管理解除率の軽減」「売買提案」が見込めます。
売買仲介されている管理会社さまであれば「弊社で物件を買っていただければ、スマホで賃貸経営ができますよ」というのをフックにオーナーアプリで売買の提案を行う、「受託後はコミュニケーションもスムーズにできますよ」と伝えれば、オーナーさまも気軽に管理会社さまに売買意向などを相談できるようになります。
こちらは弊社のオーナーアプリを使って頂いている2社の事例です。上段を管理会社さまA、下段を管理会社さまBとします。
A社もB社も同じように一棟所有が多く、地主系のオーナーが多い管理会社さまです。
この2社ともコロナ禍のなかでご導入いただき、A社さまはオーナー数が228名、直近50日間です50%の方がログイン済です。B社さまはオーナーさまが192名、40日間で78%と大きな差が出ています。
重要なのは、この28%の差です。いかに早くオーナーさまにご導入いただき、アプリでのコミュニケーションを図れるかがコミュニケーションの収益最大化のポイントです。
オーナーさまとのスピーディーなコミュニケーションの事例
最後に、「オーナーさまとのスピーディーなコミュニケーションの事例」についてお話します。
下記の図は、9月中旬に台風10号が接近した際のオーナーさまと管理会社さまのやり取りです。
この管理会社さまは台風の前、通過中、通過後に3回に渡りオーナーアプリでやり取りをしています。「このような対策をしてください」というメッセージをお送りしています。
上記は台風通過後の管理会社さまがお送りした報告メッセージです。
2つのメッセージをご紹介しましたが、やはり有事のときにいかにオーナーさまに情報発信を行い、つながることが非常に大切だと考えております。
こういった事例を参考にしていただきながら、オーナーさまとのコミュニケーション戦略を立てていただければと思います。
上記の画像データではチャットの1か月のログイン率を示しています。
収支報告だけを送っているオーナーさまのログイン平均3.5回に比べ、頻繁にチャットを使用しているオーナーさまのログイン平均は6.8回となり、アプリ使用時間が長くなっています。このことからオーナーアプリの重要性がわかるかと思います。
弊社ではオーナーアプリというツールの提供だけではなく、管理会社さまの視点でオーナーさまとのコミュニケーションの前進のお手伝いをしております。ぜひご相談ください。
さいごに
今回のセミナーでは、オーナーさまの思考や「守り」の管理獲得、オーナーアプリの有効性について取り挙げました。オーナーコミュニケーションを前進させるヒントが見つかった有意義なセミナーになったのではないでしょうか。
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