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2020.12.26

【Event Report】DocuSign Digital Day 2.0

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この記事について

この記事は、2020年11月26日(木)に開催されたオンライン・イベント「DocuSign Digital Day 2.0 – デジタル化で変わる日本の未来」のイベントレポートです。前半では「不動産業界における海外・国内での電子署名の現状」が、後半では、「DocuSignと連携し、不動産契約業務のデジタル化を進めているSaaSプロダクト」としてWealthParkが紹介されています。

 

TOC

前提:そもそもDocuSignとは何か?

DocuSignとは、アメリカに本社を置く、企業や行政機関のDXを支援する企業であり、契約書や公的書類などを契約する際の電子署名を実現するサービスを運営しています。

代表的なサービスは、クラウド式で提供されるeSignatureであり、このサービスを利用することで、様々なデバイスで電子署名を行うことが可能です。

 

 

日本では、2020年中盤に、総務省・法務省・経産省の3省連盟で、「電子署名法の解釈に関する書簡」が提出されました。
3省連盟で書簡を提出に至った背景としては、電子書面に対するハードルが下がり、サービス提供者は電子書面をより自身の業務に適応できるようになったと解釈することができます。

 

 

以前は、DocuSignの適応について、法的観点などから導入をためらう企業も多かったものの、このような政府の後押しによってハードルが下がり、企業も電子署名を業務へ適応しやすくなりつつあり、「脱ハンコ」に代表されるような政府のDX化をテーマにした報道が連日のようになされています。

海外の電子署名の状況

電子署名に関して、海外における状況をお伝えします。

アメリカ・オーストラリア・ドイツ・シンガポール・フランスと5カ国取り上げますが、海外では電子署名が既に幅広く浸透しています。

はじめに、不動産業界において「下請負工事契約」「住宅ローン」「賃貸借契約」など現地の不動産業務で発生する業務ごとの契約について調査結果を発表します。

以下の図表で示している緑色の部分が電子署名の適応パーセンテージを示していますが、およそ全体の8割から9割程度運用されており、一番右端の「Administrative(事務方処理)」に関しては、ほぼ100%が電子署名での運用が業務の中に及んでいます。

 

 

次にご紹介する事例は、海外の不動売買に関する契約と電子署名についてです。

下記の図の中で特徴的であるのは「Mortgage」であり、これは売買の金額が非常に高いタイプのローンを示しています。
この分野に限り、金融機関が紙を使っている場合が多いのが現状ですが、それ以外の領域に関しては、8割から9割の割合で電子サインの適用がなされています。

 

 

また、このグラフでは不動産運用/資産管理の業務における電子サインのパーセンテージを示していますが、グラフの様子から海外の資産管理領域における電子化は非常に進んでいることがわかります。

 

 

 

続いて統計情報をご紹介します。
「DocuSign Growth」と書いていますが、この数値はDocuSignのグローバルでの利用状況を示したものです。左側の白い部分がDocuSignのユーザー様の数になります。

 

 

100ミリオン:1億人以上の方がDocuSignを利用しています。
また、お金を払ってDocuSignを使われているお客様は65万法人に及びます。
右側に移りまして「Real Estate(不動産)」の部分を見ていきます。
250K:25万法人のお客様が既にDocuSignをご利用されているという状況です。

不動産領域における国内の電子署名の実証実験の状況

不動産領域でも電子署名の流れが広がりを見せつつあります。

しかし、不動産領域でハンコを利用する局面として最も馴染み深い重要事項説明書(第35条)建物賃貸借契約書(第37条)(国土交通省のPDFにリンクします)において、電子署名そのものの適用は認められておりますが、非常に業務負荷の高い「書面発行/送付」を回避するための法改正には未だ至っていません。

 

 

では、不動産業界で電子署名を適用されている企業様はどのように適用しているのでしょうか?

上のスライドを参照頂ければわかりやすいと思いますが、現状ですと、35条/37条書面では、取引士の捺印欄のみ書面に捺印することが義務付けられています。逆に、それ以外の管理者、仲介者の捺印欄は全て電子印での対応が可能とされています。

この背景としては、2019年10月から12月に行われた社会実験の結果を踏まえており、現在も法改正の検討が進められている段階です。
この社会実験後、実験に参加された企業様のアンケート結果によると、109件の回収アンケートのうち91件が一連の手続きが完了したと報告されました。
ちなみに、91件という数字は全体の83.5%に当たりますが、このうちほとんどの電子署名ではDocuSignが適用されています。

 

このように、不動産業界における電子署名は、まだ法改正までには至っていないものの、国土交通省の主導のもと社会実験の継続が行われており、引き続き法準備が進められています。
また、DocuSignは、こうした背景を踏まえ、2021年の法改正実現に期待を持ちつつ、お客様と準備を進めていく所存です。

国内の電子署名の状況

ここまではグローバルの状況についてお伝えさせて頂きましたが、続いて日本の状況についてお伝えさせて頂きます。

赤い丸をつけさせて頂きましたが、赤丸の領域においては、実際にDocuSignを使って頂いております。

 

 

我が国では、未だに紙の書面を交付しなければならないという制約が課されている領域は多いですが、人手不足やリモートワーク拡大を受け、およそ半数程度の領域で電子署名が導入されています。

このように、人手不足やリモートワークが電子署名の普及を後押ししている一方、心象的なハードルの影響などにより、赤丸が付いている領域であっても、実際に電子サインを導入している企業は、企業体力のある大手管理会社様やITにアレルギーの無い企業様に限定して導入して頂いているのが現状です。

我々はこのような現状をDocuSignとして打破しなければいけないと同時に、不動産業を運営する企業様向けにITの仕組みを提供しているベンダーとなるパートナー様と協力してお客様にサービス提供していかなければならないと考えています。

DocuSignの業務適用検討

DocuSignの業務適用検討の部分についてお話します。

 

電子署名の導入にあたり、お客様から頻繁にご相談を頂きますが、担当者様の悩みとしては、自社の業務領域へDocuSignの導入を検討する際、「何から手をつければいいのか?」「どの業務に適応すればよいのか?」など業務ワークフローへの組み込みかたで悩まれるお客様が非常に多い印象です。
また、「自分たちの業務にDocuSignを実装できるのか?」「自分たちでメンテナンスできるのか?」など自分たちの業務の中でDocuSignを使いこなすことができるのかを不安に感じている担当者様も数多くいらっしゃいます。

 

 しかし、このような状況もこの1年半の間に変化しつつあります。ほとんどのお客様が、「自分たちのワークフローや業務アプリケーションにDocuSignをそのまま当て込むにはどうしたらよいのか?」という流れから、「お客様自身がDocuSignの適切な運用方法に自ら気づく」という流れにシフトしつつあります。

以前は「DocuSignをどのような業務に当て込むべきか?」という視点で考えていたお客様も、「まず、自分たちがリソース不足で困っている業務をまず絞り込めばよい」という視点へ転換したり、「では、課題となっている業務の改善に適合したアプリ(パッケージ)はあるのか?」という視点で解決方法を考え始めています。

さらに、アプリを選択する際にも「アプリの中で電子サインを使用することは可能であるのか?」、「電子サインの仕組みを利用できる適切なアプリの選定が、最短かつ低コストで問題を解決することにつながるのではないか?」と考えるお客様がほとんどを占めるようになりました。

では、ここからは実際にDocuSignのインフラを製品に組み込み、市場にリリースされているパートナー、「WealthPark」の紹介に移ります。

そして、電子署名の仕組みを既に組み込んでいるサービスにはどのようなものがあるのか、また、自社でそのようなサービスを使用することは可能なのかについて紹介させて頂きます。

 

DocuSign×WealthParkで実現できること

こんにちは、WealthParkです。
本日は、「不動産契約業務のデジタル化」について当社の取り組みをご紹介させて頂きます。
 

弊社では、投資家の方々と資産管理会社を繋ぐプラットフォームを提供させて頂いております。このサービスは、投資家、つまり不動産オーナーの方には資産管理できるアプリケーションの提供を行い、その一方、不動産を管理している管理会社様には、業務支援用のシステムを提供するサービスです。

 

 

当社が提供する投資家様向けアプリには、投資家様がお持ちの不動産ポートフォリオや不動産収支の閲覧、管理会社様へチャットで相談できる機能が備わっています。
一方で、管理会社様向けのシステムは、お付き合いされている不動産オーナー様の資産情報が一元管理できるシステムとなっており、それらの情報をもとにして、投資家様に様々な提案・コミュニケーションができる設計となっています。

 

このように、弊社サービスのコアバリューは、不動産オーナー様と管理会社様の双方にサービスを提供させて頂くことによって、両者のコミュニケーションがデジタルに繋がることだと考えております。

 

弊社は、このサービスを国内外の不動産管理会社様に提供させていただいておりますが、一方で、弊社自身も、海外投資家様に特化して、不動産管理・アセットマネジメントを行っております。

DocuSign様との連携においては、まず弊社の管理事業での運用から始めて、その後、国内外の管理会社様向けへと拡大していく見通しです。

 

ここからは、プロダクトデザイナーより、サービス事例をご紹介します。

 

前述の通り、弊社は、外国人投資家様に向けた資産管理サービスを行っており、自社で開発したモバイルアプリを提供し、収支報告、トラブル対応、承諾依頼などの業務をアプリ経由で実施しています。

なお、物件管理を受託する際には、いくつかの契約書を交わしサインを頂いておりますが、一連の契約に関わる署名をモバイルアプリ内で完結するために、DocuSign APIを利用しています。

サービスの具体的な流れですが、まず不動産チームのスタッフがURLを発行し、オーナー様にチャットで送信します。
その後、送られてきたURLをオーナー様がチャット上でクリックすると、DocuSignのページへアクセスできるため、その場で契約が可能です。

 

このサービスによって投資家様は、アプリ内のみでの署名、物件の管理状況の報告、収支報告の受け取りなどのデジタル体験を得ることができます。
また、弊社の管理チームはDXを促進できるため、業務効率化や情報の一元管理、業務改善やユーザー体験の向上を目指すことが可能です。

現在は、弊社の賃貸管理部門にてこの仕組みを導入し始める段階ですが、今後このサービスを全国の不動産管理会社様に向けて提供していく予定です。

 

このサービスを利用することで、管理会社様はアプリ経由で契約書類などを自社の投資家様へ送信することができるため、契約の通知を受け取った投資家様は、アプリを開き、署名することが可能となります。
また、アプリ上のシステムによって、管理会社様はお客様のステータスを細かく追跡することができるため、メッセージの既読や未読、署名の有無などを都度チェックできます。
そして、このようなステータス管理は、投資家様の行動が見える化を実現し、スタッフの業務効率化や業務改善に繋がります。

WealthParkは、「不動産管理会社とオーナーをつなぐ」をテーマに、これからも業務をテクノロジーで簡素化し、管理会社様がオーナーさまと向き合う時間を作れるよう、機能開発を進めています。これからもご期待くださいませ。

おわりに

いかがでしたでしょうか?昨今市場が盛り上がる電子署名の海外・国内のトレンドや、DocuSign✕WealthParkの描く未来についてご理解いただければ幸いです。

DocuSignWealthPark連携のプレスリリースはこちら

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