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2021.03.05

KeyPerson’s VOICE (Part 2) Talk with Meiwa Jyuhan Ryutu Center’s Mr. Shiomi about Property Management Industry and Property Manager Qualifications

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「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第5回は、昨年より日本賃貸住宅管理協会会長に就任された、株式会社明和住販流通センター代表取締役の塩見紀昭氏にお話を伺いました。
後編では、デジタル化に対する塩見氏のお考えや日管協の会長としての活動、管理業界の今後、若手へのメッセージについてお聞きしました。(後編/全2回)
前編はこちら

ゲストプロフィール

株式会社明和住販流通センター 代表取締役 塩見 紀昭氏
東京都渋谷区出身。マンションデペロッパーに営業職として入社。1987年に独立し、不動産賃貸管理・仲介に従事する傍ら、米国のプロパティマネジメント(PM)の概念に出会い、そのシステムを学ぶ。米国最大の賃貸管理業団体IREM(Institute of Real Estate Management:全米不動産管理業協会)が認定するCPM(Certified Property Manager:公認不動産管理士)を日本で初めて取得。2020 年9月から公益社団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)の会長も務める。趣味は仕事に加え、絵画鑑賞と美味しいお店の探求。

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リアルもよし、デジタルもよし、重要なのはどう融合させていくか

――デジタル化の実現に向けて、塩見代表や御社はどの様に取り組まれていらっしゃるのでしょうか。

塩見代表:弊社で導入したキントウンは、弊社独自の業務のやり方に即した形で、非常にうまく活用されています。すべてデジタル化しようとすると重くなってしまうので、基本的な業務は統一化した上で、はみ出てしまうものには個別に対応すれば良いと思います。これは絶対にデジタル化が必要だという範囲に対する共通認識はつくりたいですよね。開発・供給側に求めることとしては、過大な設備やフル装備は不要で、ライト版の商品がほしいです。揃っている機能を100としたら、結局そのうちの30しか必要ないケースも多く、未使用の70の部分に対して無駄に支払っていることになりますから。

また、デジタル化と一緒に進めていくべき効率化の流れの一環として、日管協では社宅契約書の書式の統一化に取り組んでいます。何十社もある社宅代行サービス事業者の契約書を標準化することは大きな進歩です。こうした流れが他でもどんどん起こるべきだと思います。

――確かに、そもそもフォーマットが統一化・一元化されていたら、RPAを活用したシステムを介在させる必要すらなくなる部分もありますよね。個々の企業が技術で進めていくだけではなく、業界全体の契約書の統一といった本源的な解決を協会で進められて、まさに両輪で走らせるということですね。

塩見代表:行政を中心に起こったデジタル化を推進する流れが段々と業界にも浸透してきましたが、今回のコロナ禍で一人一人の意識も一気に進みました。実際に集まることを重視する声が強かったセミナーや講演会もオンラインに切り替わっています。私自身としては、今後はハイブリッドになってくると思っています。リアルもよし、デジタルもよし、どう融合させていくかということが重要です。

日管協の会長として、地方のナレッジを東京に還元したい


――今の状況下でデジタル化するしかないという企業は増えてきましたよね。日管協の会長として、今後のご自身や協会の役割をどの様に考えていらっしゃいますか。

塩見代表:私は最年少の理事となりましたが、協会活動はある意味ボランティアという位置付けで、30年ずっと続けています。根幹にあるのは、業界の父ともいえる三好勉日管協元会長の影響ですね。三好元会長は「業界が良くならないと会社も良くならない。業界が信頼されないと会社も信頼されない」とよくおっしゃっていましたが、私もその意思を継ぎたいと思っています。

協会の仕事を通じて、賃貸管理に尽力している担当者と直接知り合える場面が非常に多いのはありがたいことです。賃貸新聞や雑誌にこそ社長が登場しますが、光が当たるべき存在は実務をやっている社員達です。そうした人達が業界の憧れの的になる様に発信していくことが、私自身の役目ですし、協会でしかできないことですね。

また、私は東京生まれ・東京育ちで、若い頃は東京が一番進んでいると思っていました。ところが、三好元会長のかばん持ちをやったことで、地方こそが進んでいて、東京が一番遅れているという真逆の考えを持つ様になりました。東京は人口が多く、関係性が希薄なので、いい加減にやってもなんとかなってしまうところがあります。地方は独自に工夫されていて、素晴らしいノウハウや考え方があるので、協会や私の役目としてそうしたナレッジを発信し、東京に還元したいと考えています。

賃貸住宅管理業法の制定と賃貸不動産経営管理士の国家資格化までの道のり

――生粋の東京育ちの塩見代表から聞くからこそ、含蓄のあるお言葉ですね。業界内でも「大きな前進」と評価される賃貸住宅管理業法の制定と賃貸不動産経営管理士の国家資格化についても伺わせていただきたいです。

塩見代表:まずは、賃貸不動産経営管理士ができた背景を説明します。遡ること20年、我々の業界には資格が存在しませんでした。そこで、日管協で賃貸管理マネージャーという資格をつくろうという動きが起こり、テキストも作成して授業を行なっていました。その後に全国宅地建物取引業協会連合会(全宅)が同様の資格をつくり、全日本不動産協会(全日)もその動きに続きました。つまり、業界に3つの資格ができてしまったのです。

今でもはっきり覚えていますが、当時の日管協の亀山征夫元会長は業界全体に通じる資格をつくるべきだと考え、全宅と全日の両会長に声をかけました。国家資格化も視野に入れて、一緒に資格統合に向けて動き出しましょうと。そうして実現したのが賃貸不動産経営管理士の始まりです。テキストも3団体のものを下敷きにして、それぞれの良い部分を抽出してつくっていきました。私は1回目のテキスト委員でしたが、テキストをつくる時に一番大切にしたのは、倫理憲章です。CPMにもCode of Ethics(倫理規程)がありますが、日本でも倫理憲章を学ばないと資格を取得できない仕組みをつくったことは、クリーンな業界にして資格取得者のステータスを上げるという意味で、非常に大きな意義があったと思います。

私は講師も務めましたが、授業では将来的には国家資格化にしたいという思いを熱く語っていましたね。人は国家資格という言葉に弱いですから、将来国家資格になるかもしれない、難しくなる前に取った方が良いよと言っていました(笑)。国家資格化を目指していることを3団体でアナウンスもしましたので、受講者も増えていきました。この度賃貸住宅管理業法が制定され、賃貸不動産経営管理士が国家資格化されましたが、20年もかかっていますので感慨深く受け止めています。時間もかかりましたし、苦労もしましたが、やってきて良かったと思います。

日本の管理会社としての利益を適切に上げて、従業員への配分も増やしていく


――長い道のりでしたね。今のお話にもありましたが、塩見代表は早くから米国のPMを体系的に学ばれ、CPMも日本で初めて取得されています。海外のPM事情も踏まえた上で、日本の不動産管理業界をどの様に見ていらっしゃいますか。

塩見代表:海外のPMも見てきた上で、私がやりたいことの一つは、日本の管理会社としての利益を適切に上げて、従業員への配分も増やしていくことです。アメリカのPMは生き生きしていて、プライドも持っていますし、そもそもリッチですよね。やはり給与は働きがいにも関係していきますので、給与平均で見た時に管理会社の給与が低過ぎては良い人材は集まりません。私個人としては、そもそも提供している内容に対して管理手数料が安過ぎると思っています。管理業務に対して、一般的には掃除をしている管理人の様なイメージを持たれていますが、管理の英語に当たるManagementには、「 管理」だけではなく、「経営」という意味も入っています。オーナー様に代わって資産の利益最大化をすることが管理業なのです。

我々も努力して管理業の重要性を社会に訴え、メニューによっては管理手数料を上げていくということが必要なのではないでしょうか。現状は「管理」という漠とした概念になってしまっていますが、日管協では市場や需要の分析も進めていて、基本内容とオプションを分けていくといった、頑張れば収入も上がる仕組みづくりを少しずつ進められる様に準備をしています。

「賃貸管理は格好良い」と若手が誇れる世界をつくりたい

――管理業に従事する若い層に対してもメッセージをいただければと思います。

塩見代表:管理業は、上からデベロッパー、仲介、賃貸があって、一番最後を守る砦ですから、やはり頼りになる存在である必要があります。安心安全な住まいを提供する為に、入居者に寄り添えるか、入居者の困っていることや悩んでいることに適切に応えられるかが問われています。それには、経験を積んでもらうこと、さらには経験をうまく教えられる仕組みも必要ですね。

管理業は建築や法律も知らなければならないし、クレーム対応もしなければならないし、一生勉強をしなければならない深い業界です。若い人にはもちろん期待もしていますが、もっとハングリー精神を持ってほしいと思います。一方で、仕事にワクワク感、充実感、達成感を感じてもらう様にすることは、我々の役目でもあります。若い方が頭角できる様に、上からではなく、彼らの考えやそこに至る背景も受け入れて、一緒にやっていきたいですね。管理業界は高齢化していますので、私達の役目は一企業のみならず、業界全体を良くして、若い方が活躍できる舞台を提供することです。目指す方向として、「賃貸管理は格好良い」と彼らが誇れる世界をつくりたいと思っています。

――お客様に対してお伝えしたいメッセージはありますでしょうか。

塩見代表:我々の管理する物件で暮らされた時間が「人生で良い時間だった」と思っていただける為に頑張っています。現在の賃貸契約書が問題を起こす入居者に合わせ過ぎているのは不幸ですよね。自分で棚を設置したり、壁を塗れるといった自由度が上がればもっと長く住んでいただけるという、逆の発想が必要になってくると思います。管理業で扱う空間を商品に見立てたら、入居者は商品を毎月購入してくださるお客様です。そんなリピーターの方達に私達は何ができるかを考えていきます。ぜひ賃貸業界のファンになっていただいて、応援していただき、信頼関係を構築したいと思います。

――今日は長時間に渡って貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

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インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社明和住販流通センター

代表取締役社長:塩見紀昭
本社所在地:東京都世田谷区若林3-4-11第7明和ビル
事業内容:賃貸物件管理事業
賃貸仲介事業
売買仲介事業
相続コンサルティング事業
マンスリー事業
損害保険代理業

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社明和住販流通センター
Mail:info@meiwa-g.co.jp

WealthPark株式会社 広報担当
Mail:pr@wealth-park.com

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