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2022.01.28

特別対談企画(後編)東京建物不動産販売福居氏に聞く、社会課題への向き合い方と人々への価値提供とは

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「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第12回は、125年の歴史を持つ東京建物グループで、主に仲介事業、アセットソリューション事業、賃貸事業を展開する、東京建物不動産販売株式会社 代表取締役社長執行役員 福居賢悟氏にお話を伺いました。
後編では、東京建物グループの一員としての東京建物不動産販売のミッション、従業員様にパーパスを感じてもらうための意識変革や、福居社長のオンオフの切り替え方法についてお聞きしました。(後編/全2回)
前編はこちら

ゲストプロフィール

東京建物不動産販売株式会社 代表取締役社長執行役員 福居 賢悟氏
1982年に東京建物株式会社に入社し、法人仲介 、土地有効活用コンサル 、経営企画 、マンション用地取得 、CREといった様々な業務に従事。九州支店長、取締役企画部長、執行役員法人営業推進部長、取締役専務執行役員(ビル事業本部長兼関西支店、札幌支店、九州支店、名古屋支店担当)などを経て、代表取締役副社長執行役員社長補佐、アセットサービス事業本部長、東京建物不動産販売株式会社 代表取締役社長執行役員に就任。趣味はクラッシック音楽鑑賞。大切にしていることは、仕事をする上での信頼関係。

TOC

東京建物グループの一員として、お客様や社会の課題を解決していく

――デベロッパーである東京建物様と、仲介・賃貸管理会社である東京建物不動産販売様の役割について言及されましたが、それぞれの事業体の存在意義も異なりますよね。両方に籍を置かれている福居社長として、そのあたりはどう意識されているのでしょうか。

東京建物不動産販売は東京建物の100%子会社であり、私が本部長を務める東京建物のアセットサービス事業本部の傘下に位置していますので、前提として、東京建物不動産販売は東京建物グループの一員であるという意識を持っています。
2030年を見据えたグループ全体の長期ビジョンである「次世代デベロッパーへ」には、狭義のデベロッパーを超えて、お客様や社会の課題を解決していくという我々の意思が込められています。例えば、旧耐震物件を購入して耐震補強をして販売したり、小さいことですが購入した古いビルの照明をLEDに付け替えて再販売したりすることは、東京建物グループの一員として、社会課題の解決という概念を持ち込んだからこそ浮かぶ発想なんですよね。これは従業員のモチベーションにもつながると考えていて、特に若い世代は会社から給与を得る以上に、社会に何を貢献できているかといった自分の存在意義を問う者が増えており、そうした問いに応えられる企業、グループでありたいと思っています。

――おっしゃる通り、組織、個人の存在意義である「パーパス」が重視されてきており、自己成長が実感出来る居場所を見つけたいと思う方も増えてきていますよね。

そうですね。理想論としては、東京建物グループの一員として、一人一人に存在意義を感じてもらいたいと思います。一方で、正社員、契約社員や派遣社員、アルバイトといった様々な勤務形態の従業員がおり、時給単位で働いている従業員にも東京建物グループへの帰属意識や誇りを持ってもらうのは現実的には難しいかもしれません。それでも、東京建物不動産販売ってこういう会社なんだと雰囲気だけでも掴んでもらえたらと。短期間しか所属しないとしても、居心地が良い組織だと感じてもらい、出来るだけ幸せに働いてもらうことが最低限の目標です。

エンドユーザーの目線に立って、どれだけの価値を提供できるかを意識

―― 一方で、不動産管理会社様に向けたサービスを提供している我々から見ても、管理業はどうしても労働集約型な業務になりがちで、パーパスが求められる時代だからこそ、逆に自分自身でそうした意義を見出すことが難しい側面もあるのかなと。東京建物不動産販売様では、表舞台に出にくい管理業の意義をどのように捉え、社内で伝えられているのか、ぜひ伺いたいです。

確かに、表舞台には出にくい管理業に日々従事する中で、自分の仕事の存在意義を見出しにくいと感じることはあるかもしれません。しかし、その物件を使ってくださるお客様の目線に立って、どれだけの価値を提供出来るかを意識することで変えていくことは出来ると思います。
この点に関しては、東京建物のビル事業と比べると、東京建物不動産販売はもっと改善出来る余地がありますね。ビル事業では「Human Building ~いつも、真ん中に人。~」というコンセプトを掲げ、清掃会社や警備会社といったビル事業に関わるすべての子会社・協力会社も含めて、我々はビルを運営するパートナーであり、お客様にどうしたら付加価値を提供出来るかを一緒に考えるという姿勢を貫いていました。例えば、清掃スタッフがビルの来訪者に最寄り駅を聞かれたら丁寧に道順をお伝え出来るか、警備スタッフが落ちているゴミを見たらさっと拾えるか。そうしたことの積み重ねでビルの評価は分かれますので、お客様アンケートも活用してかなり緻密に定点観測をしていました。こうした感覚は東京建物不動産販売でも醸成していきたいと考えています。もちろん、住宅とビルは異なるものですが、エンドユーザー様に対するサービスの向上が、長い目で見た時にオーナー様の利益につながるところは同じです。ビル事業ではこうした価値観を浸透させることに尽力してきましたので、東京建物不動産販売でも同じことを少しでも実現できたらと思います。

人対人の付き合いにおいて、新しい価値を生み出せるところに人の力を使いたい

――入居者様やテナント様といったエンドユーザーに価値を提供するには、「デベロッパーとその他」という概念を断ち切り、媒介する社員もアルバイトも一丸となって居心地よく働いていただく。その結果、オーナー様にとっても利益やメリットを生んでいくという循環をつくられたのだと思いました。また、お客様に満足していただくことが、自身のパーパスとなっていくということですよね。

そうですね。また、賃貸管理に関しては、新しい技術の登場により、労働集約型だった業務内容も大分変わってきましたよね。我々も、お客様の理解を得られることであれば、色々なデジタルツールを取り入れていくつもりです。一方で、どこからどこまでをデジタルにするかを見極めることも重要。御社のアプリのようなツールを使ってサービスを改善させながら、お客様とオフラインでより根源的に触れ合う機会を増やすことで、我々のビジネス全体の拡大にもつなげていければと思います。機械に取って代われることを従業員にやらせることは、今の日本の労働市場事情からするともったいない。人対人の付き合いにおいて、新しい価値を生み出せるところにこそ人の力を使いたいと考えていますし、「一人一人の生産性を上げる」と言った時に、例えば請求書の処理件数ではなく、お客様とどれだけ有意義な会話ができたのかに評価軸をシフトさせていきたいですね。

――どこからどこまでをデジタルにするかという観点は非常に重要ですよね。オフラインでのコミュニケーションが取りにくくなっているコロナ禍において、従業員の方々とはどのように接点を持たれているのでしょうか。

一堂に集まって顔を見ながら話せる機会もほしいところですが、今はまだ難しい時勢ですので、昨年10月に緊急事態宣言が解除されてから、管理職になっていない社員5名程度集めランチミーティングを行うことから始めています。簡単な自己紹介をし、意見交換を通じて、私の人となりを知ってもらう機会になれたらと。2021年1月に社長に就任しましたが、まだ写真でしか私の顔を見たことがない従業員もいますし、終始マスクをしているので同じエレベーターに乗っても気づかれないかもしれませんよね(笑)。もう少し個別のコミュニケーションを深めていけたらと思います。もちろん、色々なツールを使って情報発信も行っていきますが、一度は直接会って、表情を見ながら一言でも二言でも言葉を交わしたいですし、そうした接点があってから関係性が始まると思っています。

新卒から40年間、仕事上のストレスを感じたことはない

――仕事をする上で「信頼関係」を大切にされていらっしゃるということですが、信頼関係をつくるにはやはり対面のコミュニケーションが必要だということですよね。

コロナ禍で多くの会社が出勤停止に踏み切った時期に、比較的テレワークを取り入れやすい新興企業の社長2人が、「コミュニケーション貯金」と「信頼預金」という同じような言葉を使っていたのが印象的でした。彼らが言っていたのは、これまでオフラインでのコミュニケーションや信頼関係があるから、社内や面識のあるお客様とはウェブ会議で何とかなるけれども、それを食い潰したら今のようにはいかないのではということ。私も同じ意見です。こちらが一方的に話すような報告会であればオンラインでも成立しますが、初めて会った人とオンラインで何かを生み出すことはなかなか難しい。誰もがどこにいても参加出来るというオンラインのメリットは取り入れつつ、信頼関係の構築に直接的な人と人との触れ合いは不可欠な要素だと考えています。

――コロナ禍で社長に就任され、従業員様とのコミュニケーションの取り方を含め、一つ一つ決断を下していくことには相当の苦労やストレスもあると思いますが、福居社長はどのようにオンオフの切り替えを行っているのでしょうか。

正直なところ、この40年間、仕事上のストレスを感じたことがないんです。私は仕事場を離れたら仕事はしないと決めており、携帯こそ持ち歩きますが、パソコンを自宅に持ち帰ることはありません。つまりは、それでも済んできたということですね(笑)。リーマンショック後の一時期は除きますが、原則的には明朝まで待てないような決断を迫られることはないと思って仕事をしてきました。何かあればいつでも電話がかかってくるなんて、緊張が抜けないし、嫌じゃないですか(笑)。
これは余談ですが、クラシック音楽が好きで、新入社員の頃からNHK交響楽団
の定期会員になって、金曜日の夕方から始まる月1のコンサートはほぼすべて鑑賞できています。どの事業部でも時間の管理は自身で出来るような環境であってほしいし、上司も仕事を夜まで押し付けるようなことはしないでほしいと思います。

――新入社員の頃から責任のあるお立場に就かれるまで、金曜日の夜をご自身の趣味に使うことができていたというのは、非常に素敵なエピソードですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

東京建物不動産販売株式会社

代表取締役 社長執行役員:福居 賢悟
本社所在地:東京都中央区八重洲1-5-20 東京建物八重洲さくら通りビル
会社ホームページ:https://www.ttfuhan.co.jp/

<本件に関するお問い合わせ先>

東京建物不動産販売株式会社
電話番号:03-6837-7700

WealthPark株式会社 広報担当
Mail:pr@wealth-park.com

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