Articles

2022.05.02

特別対談企画(後編)HIROTAホールディングス廣田氏に聞く、地域に特化した不動産管理会社の組織作りとテクノロジーとの向き合い方とは

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第13回は、福岡県北九州市を拠点とし、地域の企業や資産家が求めるハイレベルな不動産ソリューションにワンストップで応える資産提案(ASSET PROPOSAL)企業を目指す、株式会社HIROTAホールディングス代表取締役 廣田豊氏にお話を伺いました。
後編では、地域特化型のこだわりや戦略、テクノロジーとの向き合い方、「企業」として組織力をつけるための実践についてお聞きしました。(後編/全2回)

ゲストプロフィール

株式会社HIROTAホールディングス代表取締役 廣田 豊(ひろた ゆたか)氏
九州国際大学国際商学部を卒業後、積水ハウス(株)へ入社。
4年間住宅営業に従事したのち、1999年に父の政登会長が創業した同社に入社。2010年12月に社長就任。趣味はランニングとゴルフ。

TOC

テクノロジーとうまく向き合うためには、必要性を見極める力が大切

――御社は地域に対する貢献にこだわりを持たれていますよね。東京や大阪に進出せず、あくまでも北九州という地域で、不動産に関わる機能に特化されて事業を拡張されています。こうしたこだわりの裏側にある戦略を教えてください。

不動産屋の存在意義を突き詰めた結果、「HIROTA ASSET PROPOSAL GROUP」というグループ名にも入っている「アセットプロポーザル(資産提案)」という概念にたどり着きました。一般の方の不動産の関わり方は、就職のときに初めて部屋を借りて、結婚してファミリータイプの賃貸に転居して、頭金が貯まったから中古物件を購入する、建て替える、相続を考えるといった、ライフプランに即した形で進んでいきますよね。不動産というお客さまの人生における大切な資産の提案を行なっていくには、地域に根ざした方が理にかなっていると考えたのです。
現在「GO30」を掲げており、2030年までに、300名・30事業部体制にしたいと考えていますが、300名体制でも北九州の物件を扱うには十分な人員数ではありません。ただ、1000人体制になっても北九州以外に広げないかというと、話は別ですが(笑)。

――特に、北九州エリアは資産を所有される方が数多くいらっしゃいますし、地域特化型が合理的な選択というのはよく理解できました。一方で、売上と社員の数がそのまま比例して伸びていくということでもないですよね。より効率的に働いてもらう環境をつくるという観点からは、テクノロジーの活用も必要になってくると思われます。世の中でDXが叫ばれてはいますが、御社の各事業においてはテクノロジーにどのように向き合われているか、教えてください。

正直なところ、今はDXという言葉だけが一人歩きしているような印象を受けています。ただ、革新自体は必要なことで、企業にとって革新をしないという選択肢はありません。私個人としては、そうした革新の手法の中で近年一番注目されているのがテクノロジーだという整理をしていて、DXを盲目的に推進することには懐疑的です。
テクノロジーについては、必要性を見極める力を身につけることが大切だと考えています。自分たちの仕事をどう改善したいのか、どうすれば自分たちの仕事が楽になるのかを先に考え、目的に応じてテクノロジーを選び取る力です。いろいろなサービスが溢れていますが、内製化した方がよい場合もあるし、目的もないのに取り入れるのは失敗につながるでしょう。繰り返しになりますが、これも私の新入社員時代のエピソードと同じ発想ですよね。誰かに言われたとか、他の会社が取り入れているとかはどうでもよい。大事なのは、自分は、自社はどうしたいのかを常に考えることです。

「企業」としての組織力とトップの権限・責任はトレードオフの関係

――非常に重要なポイントですね。業務の効率化や個人情報の保護といった目の前にある課題だけに気が取られていると、結局どうしたら良いのかわからなくなってしまうパターンに陥りがちです。自社のスタンスをしっかり持って、テクノロジーの必要性を見極めていく癖をつけていくことが求められるのでしょうね。テクノロジーに限らず、御社では日々の業務効率の改善をどのように仕組み化しているのでしょうか。

改善提案制度を構築しており、社内システムで誰でもいつでも改善のための申請を出すことができます。途中で却下されるものもありますし、私のところまで上がってくるものもあります。ただ、採用・不採用よりも、こうした申請を出すことを重視しており、申請数は評価にも反映されます。また、優れた提案は月次で表彰されますし、インセンティブも出ます。
改善提案制度が伝えているメッセージは、チャンスは誰にでも平等にあるということです。提出頻度や提案内容の質が高い社員は総じて意欲も高く、プロジェクトに誘われる機会も増えますし、早くに昇進しますね。厳しい言い方かもしれませんが、現状を改善するためのアクションを起こさない人にチャンスを与えるほど会社は甘くはありません。

――一見すると厳しく映るのかもしれませんが、仕事への意欲が顕在化され、機会の平等が仕組みとして提供されているということですよね。人を育て、組織に力をつけていくプロセスが随所に構築されていて、勉強になります。

参画時の20名のままなら、私一人の判断や決断でなんとかなります。しかし、私のやりたいことは、「家業」を「企業」にしていくこと。弊社にとっては、今の160名も、次の目標の300名も、ゴールではなく通過点であり、もっと成長していくには、社長になれるような人間をどんどん育てなければならないのです。だからこそ、権限委譲と責任委譲をセットで考え、育った人間に私が持っていた権限と責任を積極的に渡していくようにしています。「企業」としての組織力を得る代わりに、権限のような失うものがあることを覚悟すべきなんです。
だからこそ、私にとっては、売上規模よりも年々すごいなと思う人材が社内で増えていることが最大の喜びですね。そうした社員がまた下の社員を育て、レイヤーが厚くなってくる。結局はそれが事業成績につながっていくんですよ。手前味噌ですが、弊社の社員は優秀で、権限や責任を委譲できるレベルに育ってくれています。これは、一人一人が自分のミッションを自分で考え、それを果たすことが会社の成長につながることを理解してくれているからなんですよね。

質と量を上げるという理想を突き詰めていくことを意識

――御社はミッションドリブン型の組織ですよね。一方で、「反復・継続」や「安定・安心」を特徴とする賃貸管理業務は、一般的には目的意識と馴染みにくいと考えられています。そのあたりはどのように工夫されているのでしょうか。

おっしゃるとおり、弊社はジョブ型の会社ではありますが、バランスが大事なのだと思います。経営者がドライにビジョンを描く必要がある一方、ウェットに人に接する必要もあって、きれいに二分することはできないですよね。例えば、業務成績やミッションを達成することに対してはシビアですが、そのプロセスに関しては多部署連携やコミュニケーションを大事にしろと口うるさく伝えています。また、仲介件数もちろん大切ですが、口コミも重視しています。お客さまから個人名で褒めていただけることは、数値で測れるような実績と同等に評価されるべきで、顧客満足と成績は両輪で見るべきです。会社も同じで、PLが悪ければ存続できませんが、従業員満足度も大事で、従業員のエンゲージメントでもって業績を上げることを目指すべきですよね。このように、質と量を上げるという理想を突き詰めていくことを意識しています。

――なるほど。プロセスと結果、質と量といったように、両輪で見てバランスを取るということですね。
話は変わりますが、廣田社長は社長に就任される前から協会活動も積極的に関与されていますよね。多忙な中で時間を割いて貢献され続けているのは、どのような想いからでしょうか。

留学や積水ハウスの話にもつながりますが、もともと外に出てなんでも見てみたいと思うタイプなんですよ。視野を広げた方がチャンスが広がると考えているので。幸運だったのは、家業に戻った20代のタイミングで協会の東京の会合に参加し、不動産業界の尊敬すべき人たちの存在を目の当たりにしたことですね。経営について教わることも多く、私も後輩に返さないといけないという考えで今も協会活動に関わっています。
社長業で一番大切なことは、社員に信頼されることだと思います。「うちの社長はすごいな」と感じてもらえれば、社員にとってもプライドになりますよね。だからこそ、社長は自社の利益ばかり追い求めるのではなく、正しい道を歩み続ける必要がある。そうした想いを、社員だけではなく、業界の後輩にも伝えなければならないという使命感もあって、協会活動を続けています。

私たちが働いている目的は、不動産で人を豊かにすること

――社員が成長していくこと、そして、それによって会社が成長していき、地域との結びつきがより増えていくこと。その3Dの循環をつくり上げていることが御社の成長の秘訣だということが、廣田社長のお話を伺ってよくわかりました。
最後に、社員の方や全国の賃貸管理会社で頑張っている方にメッセージをください。

私たちが働いている目的は、不動産で人を豊かにすることですよね。人のライフプランに寄り添える商材をせっかく扱っているのだから、そうした視点を持っていただきたいと思います。また、昨今では不動産の投資運用の側面も注目されており、お客さまの幸せにつながると同時に、売上や年収も上がることが期待できます。不動産管理の仕事は数年で覚えられるものでもないですし、人生を通して極めていくような深みや面白さがあって、収益的なチャンスもあります。これだけでも長い人生を賭けるに値するし、ワクワクしますよね。我々はそうした不動産業をやっていきたいし、弊社の社員にも、業界にいらっしゃる方にもやりたいという気持ちを持ってほしいと考えています。

――私自身がワクワクしてきました。本日はありがとうございました。

前編はこちら

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社HIROTAホールディングス

代表取締役 廣田 豊
北九州市八幡東区山王1丁目11番1号
会社ホームページ:https://corporate.re-hirota.co.jp

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社HIROTAホールディングス
代表メールアドレス: info@re-hirota.co.jp
代表電話番号: 093-663-3934

WealthPark株式会社 広報担当
Mail:pr@wealth-park.com

RELATED ARTICLES

  • Articles

    2022.08.26

    特別対談企画(後編)ヤマモト地所山本祐司氏・富貴氏に聞く、「地域、社員、家族との信頼づくり」の秘訣

  • Articles

    2022.08.19

    特別対談企画(前編)ヤマモト地所山本祐司氏・富貴氏に聞く、「地域、社員、家族との信頼づくり」の秘訣

  • Articles

    2022.08.12

    特別対談企画(後編)ハウスコム田村氏に聞く、賃貸仲介会社と管理会社のデジタル連携で目指すビジョン

  • Articles

    2022.08.05

    特別対談企画(前編)ハウスコム田村氏に聞く、賃貸仲介会社と管理会社のデジタル連携で目指すビジョン

  • Articles

    2022.07.15

    特別対談企画(後編)高知ハウス和田氏に聞く、「高知の街に根差し、向き合う不動産会社」の原動力

  • Articles

    2022.07.08

    特別対談企画(前編)高知ハウス和田氏に聞く、「高知の街に根差し、向き合う不動産会社」の原動力