Articles

2023.08.29

特別対談企画(後編)戦略的に、そしてストイックに。地元・長浜で活躍する葛川社長に尋ねた挑戦し続ける秘訣とは?

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.


「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第22回は、滋賀県長浜市で長浜地域に向けた不動産管理業を展開する株式会社エム・ジェイホーム 代表取締役社長 葛川氏にお話を伺いました。後編では、教育事業に取り組む背景、女性活用に積極的に取り組む理由、今後の事業展望についてお話しいただきました。(後編/全2回)

ゲストプロフィール

株式会社エム・ジェイホーム 代表取締役 葛川 睦氏
卒業後、株式会社リコーへ入社し、コピー機の販売に携わる。販売を通じ、さまざまな業界の代表と接するなかで不動産業界での起業を決意し、不動産会社へ転職。在職中の2年間で賃貸仲介業務の経験を積んだ後、地元長浜の不動産企業へ転職し、土地開発業務に携わる。その後、株式会社エム・ジェイホームの前身となる企業で、不動産事業を立ち上げる。携わっていた事業を買収し、株式会社エム・ジェイホームを設立。趣味はバイク、お酒、美容。特に美容にはストイックに取り組んでおり、毎日のお手入れ・食生活はもちろん、クリニックでの月に一度のお手入れも欠かさない。

TOC

教育・子育て事業は地域・社会へ貢献するための取り組み

――エム・ジェイホームは2017年からは教育・子育て支援事業も手がけていますが、この領域に踏み出したきっかけや思いを教えてください。
取り組みのきっかけは、地元行政から待機児童とその解消に向けた相談を受けたことでした。現在、学童保育と子供用英会話教室を展開していますが、教育事業については地域貢献や社会貢献の意識で運営しています。事業としては、ようやく黒字化したところです。ある程度赤字を許容したのは、地域貢献を通じて、自社ブランディングや本業へつながると考えたからです。

――近年はリモートワークの増加で学童の需要は増えていますし、エム・ジェイホームの学童を利用していたことを覚えている親御さんやお子さんもいると思います。長浜で事業を広げていくことを長い目で考えたとき、事業の拡大はもちろん、ある程度の社会的な意義を覚えたからこそ、赤字でも事業を続けられたのでしょうか。
はい。仰るように、入園されていたお子さんの祖父母が当社のオーナー様だったというケースもありますし、社会人になった卒業生が当社の社員として入社するケースもありました。教育を通じ、さまざまな部分で皆様とつながるからこそ、事業を続ける判断ができました。

――学童だけでなく、英語教育にも取り組まれているのはなぜでしょうか?
シングルマザーの従業員から「ただ単純に学童を通わすだけでは、塾に行きたくてもいけない」という話を聞いたからです。それなら我々の学童に塾の機能をオプションとして付け、英語や数学、体育などを学びながらお子さんを預かれないかと考えました。ただ預かるだけではなく、人によって学びの場にもなる学童をつくりたいと思いました。将来的には自社の福利厚生の一つに導入し、採用にもつなげていくことも考えています。

店長職の過半数が女性従業員。効率的に能力を発揮しやすい組織体制への見直し

――エム・ジェイホームでは、店長職に積極的に女性従業員を配置し、従業員の過半数も女性で占められていることから、管理業界内でも女性の活躍・登用が際立っている印象があります。

ありがとうございます。今のような組織体制となったのは、当社で働く女性従業員たちが持つ接客力の高さ、さまざまな点で気が利くという強みを活かし、働いてほしいという思いがあったからです。

当社の場合、家庭の都合や子育ての関係で残業が厳しかったり、時短労働で働く女性従業員が少なくありません。ただ、彼女たちは働ける時間を効率的に使い、仕事を回しています。体力面や労働面から男性が優位に見られがちな業界ですが、当社では男性従業員以上の売り上げを出す女性従業員が多数います。

余談にはなりますが、以前のエム・ジェイホームは残業が多いという課題がありました。女性従業員たちの効率的な仕事のやり方を社内に展開した結果、全社的に店舗業務であっても定時で終わる仕組みをつくることができました。

また現在のエム・ジェイホームは、従業員数だけでなく、店長職の半数も女性従業員が占めています。昔は店長職は男性のみで窓口に女性を配置するという組織体制でしたが、この体制を見直しました。その結果、今では売り上げ上位10店舗が全て女性店長の店舗になるぐらい、目覚ましい変化を遂げました。

――お話を伺い、私自身もトップとしてリーダーシップを取り、組織を変えていく必要があるとひしひしと感じました。今回の場合、長時間働けない女性従業員がいることを前提にオペレーションと組織環境を再度考え直し、各店舗に仕組みも含め導入したことが成功の鍵だったのでしょうか?

会社として働く女性をサポートしたいと思っています。お子さんの急な発熱などで、どうしても会社を休まないといけないというケースは少なくありません。そのような場合に他店のメンバーがサポートできるような体制を全社として整えることで、女性従業員が働きやすく、活躍できるような体制を作っています。

また、男性たちも認識を改める必要があると思います。特に経営者です。男性・女性という性の違いで相手を上下に見ることが、残念ながら往々にして起こります。こればかりは時間をかけて、性別で相手にバイアスをかけていないかなど、周囲を巻き込みながら理解をしていく必要があると僕は考えます。

プロフェッショナルとして一つの道を極めてほしい

――管理戸数を順調に増加していくなか、売買、建築と事業も増えていきましたが、管理の方を中心に据えたとき、それを取り巻く人々との組織運営を行うなかでどのようなことを意識していますか?

おそらく日本中の不動産業に共通していると思いますが、管理に来られる方のほとんどは、管理仲介を経験した後、店長の実績を積んでから、次のステップとしてやって来るのが私のイメージです。もし、その会社に管理業務がなければ、売買部門へ行ったり、人によっては独立したりというステップかもしれません。

ただ僕は、管理仲介のプロフェッショナルならその道を極めてほしいと考えています。建築、売買も同様です。管理会社の務めは、オーナーさんが命の次に大事になる資産を守り、そして運用して増やしていくことです。

――結果論かもしれませんが、葛川社長の職種に対する考えはジョブ型に近いですよね。勤務経験や辞令ではなく、本人の希望ないし、会社として求める役割や職能に対し割り当てていくことで自分のキャリアを積む働き方が出来上がっていると感じました。一方で、各々がプロフェッショナルであるためにぶつかり合いが起こるようにも思いましたが、いかがでしょう?

部署のトップ同士がいかにすり合わせられるかという点が重要になってきます。ただ、本当に全員が自分のお客様の目線を大事にしてるからそうなってしまうのは仕方ないとも思っています。妥協することは、お客様に対して折り曲げてしまうこととなりますから。その上ですり合わせていけるよう、各々がコミュニケーションを取るしかありません。

――エム・ジェイホームの役員の皆さんは同い年で、各部門に監修として入っていると伺いました。競争原理という意味でも、いい意味で健全なコンセプトだと感じました。

小さい会社ということもあり、お互いに緊張感を持たせて、監視しあうことを大事にするよう伝えています。八方美人にならずに緊張感を持って監視するのが本当の経営者だと僕は思うため、役員たちにも常々話しています。

東京プロマーケットへの挑戦。より一層の成長に向けた決断

――今後の事業方針について教えてください。

引き続き滋賀県を中心に投資物件を開発し、販売していきます。2023年2月には第1号ファンドを立ち上げ、その建設資金を募集し始めました。新たにグループホームに関する事業も開始しています。今、グループホームのなかでも障害者向けの住宅が足りていません。入りたくても入れない方の受け皿となるような物件をどんどん建てていきます。これは滋賀県に限らず、空いている場所があれば、全国どこでも取り組む予定です。すでに三重県や奈良県、長野県などからもご相談が届いており、対応に向け動いています。

――会社設立から20年の節目を迎えようとするなか、プロ投資家のみが取引を行える市場である東京プロマーケットへの上場を検討していると伺いました。すでに長浜でいろいろな実績を残してきたなか、なぜ次のステップに進む決断に至ったのでしょう?

理由は大きく3つあります。1つ目は、事業面のメリットです。これからメインとして販売していく投資用物件やファンドの販売において、何にも冠のない事業者よりは上場企業の方が購入いただきやすいと思ったからです。上場企業の実績に見合うよう、企業が成長できるとも考えました。

2つ目は採用面です。滋賀地域でも、特に北の方のローカルな企業ということで採用に苦戦しています。今後、若い方や優秀な方を採用していこうとした際、地元の上場企業ということで地元の方や U ターンの方などに興味を持ってもらいやすくなると思いました。3つ目は事業継承を考慮してです。僕には娘が1人しかおらず、今後を考えるとプライベートカンパニーよりかは上場した方が何かと便利だと考えました。

――葛川社長から管理会社で働く皆様へメッセージをお願いします。

本当に地道な作業が続く部署だと思いますし、大変だとも思います。ただ、本当に忘れてはならないのは、オーナー様の命の次に大事な資産をお守りしているということです。例えば家賃が毎月100万円のオーナーさんだとしたら、利回りから還元法で考えると何億という資産(物件)をお預かりしていることになります。もしオーナーさんが100人いたら、何百億という資産をお預かりしているっていう仕事の矜持を忘れないでほしいです。それが分かってくると自ずと仕事に対してもやる気も出てきますし、マインドセットも変わると思います。

――葛川社長ありがとうございました。

前編はこちら

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社エム・ジェイホーム

代表取締 葛川 睦
滋賀県長浜市宮司町1126-2
会社ホームページ: https://www.mj-home.co.jp/

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社エム・ジェイホーム
Contact: https://www.mj-home.co.jp/contact

WealthPark株式会社 広報担当
Mail: pr@wealth-park.com

RELATED ARTICLES

  • Articles

    2023.10.02

    特別対談企画(前編)1つの取引が運命を変えた。サムティプロパティマネジメント植田社長の半生から学ぶ「管理会社代表のあるべき姿」

  • Articles

    2023.10.02

    特別対談企画(後編)1つの取引が運命を変えた。サムティプロパティマネジメント植田社長の半生から学ぶ「管理会社代表のあるべき姿」

  • Articles

    2023.08.29

    特別対談企画(前編)戦略的に、そしてストイックに。地元・長浜で活躍する葛川社長に尋ねた挑戦し続ける秘訣とは?

  • Articles

    2023.04.18

    特別対談企画(後編)「無償から有償管理へ」広島の管理開拓者である良和ハウス代表が語る不動産奮闘記

  • Articles

    2023.04.18

    特別対談企画(前編)「無償から有償管理へ」広島の管理開拓者である良和ハウス代表が語る不動産奮闘記

  • Articles

    2023.03.27

    特別対談企画(後編)ソナーレ丸山代表の半生から学ぶ。父娘の事業継承ヒストリー