CIO鈴木の連載記事 | 海外不動産テック最前線 ~VergeSenseとは~

日本において新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言は解除されましたが、人々の働き方は完全に以前の働き方に戻るということではなく、業種・職種によっては今後もリモートワーク、週2・3日の出社、交代での出社等の働き方となり、オフィスの提供する価値もより安全性・生産性・満足度等により見直されるものと考えています。

海外においても同様の議論がなされており、オフィスでの働き方・オフィスの活用に様々なフレキシビリティが求められる中で、どのように安全性・生産性・満足度を向上させていくかは重要、且つ、喫緊の課題となっております。

このような背景のもと、まさに当該分野に寄与するサービスを提供する米国の不動産テック企業VergeSenseが新型コロナウイルスの影響で投資環境において選別が進む中で資金調達に成功しておりますので、今回は、VergeSenseについてご紹介したいと思います。

VergeSenseは、天井に簡単に付けることのできるセンサーを販売しており、当該センサーを用いて、リアルタイムで入居者の数を計測したり、どのフロアのどのエリアに人が集まっているかの人流分析を可能としています。

コロナウイルス前は、VergeSenseの顧客は、より入居者同士が接点を持ち意見交換をしたり、協力をして生産性・満足度を向上させるといったことを促進することを目的としてVergeSenseを活用していたものの、コロナウイルス後は、ソーシャルディスタンスが確保されているか、1部屋に占める人の数が大きすぎないかという観点から、即ち事業者として従業員の安全性、オフィスビル管理者としてテナントの安全性を確保することを目的として導入しているとのことです。

これらの要望の変化に合わせ、VergeSenseは、ある特定エリアのオフィスにおけるソーシャルディスタンススコア(接触した人々の平均的距離、接触回数等も含む)、日次占有率レポート、人流分析を基にした清掃計画(清掃時間・頻度含めビジュアル化)を提供することに加え、顧客の要望によっては顧客自身のオフィスに係るアプリと連携させ、現在のオフィスにおける人の占有率が見られ安心してオフィスに行くことができるかを判断できる情報も提供しているとのことです。素晴らしいですね。

VergeSenseは2017年に創業、顧客数70社のうち40社は米国FORTUNE誌が公表するトップ1000社に含まれる大企業であり、センサーを導入したビル数は15か国、250オフィスビルに上り、毎日6百万個のセンサーからのレポートを受領しているとのことです。

2020年5月21日、VergeSenseは1兆円の時価総額を有する世界的に有名なAllegionグループのベンチャー投資部門Allegion Venturesに加え、JLL Spark、MetaProp、Y Combinator、Pathbreaker Ventures、West Venturesから、総額約10億円(USD9Mil)を調達したことを公表しています。

AllegionVentures社長は今回の出資背景として、VergeSenseが上記のように新型コロナウイルスに伴い、ソーシャルディスタンス等ニーズに合わせたプロダクト展開をしつつ、生産性・エンゲージメント・コスト効率性の向上にも取り組んでいることを挙げています。

今回は新型コロナウイルスに伴い、オフィスへの安全性・生産性が求められる中、環境の変化に合わせたプロダクトの打ち出しをし、資金調達をしたVergeSenseを紹介させて頂きました。今後も、最前線を走る不動産テック企業を紹介させて頂きます。