直近の中古マンションの物件売買データから新型コロナウイルスの影響を見る

今日は、6月10日に公益財団法人不動産流通推進センターが公表した中古マンションの物件売買データから、新型コロナウイルスの影響が中古マンションの物件売買データにどのように表れているかを見てみたいと思います。

1. 中古マンション売買成約件数

2020年5月の中古マンション売買成約件数は、2019年5月に比較し、北海道31%減、東京都38%減、神奈川県40%減、大阪府35%減、福岡県26%減、沖縄県19%減と大幅な減少となっています。

図1 中古マンション売買物件の成約件数

先月お伝えした通り、2020年4月時点での売買成約件数は、前年同月比で北海道33%減、東京都56%減、神奈川県52%減、大阪府42%減、福岡県33%減、沖縄県38%減ということでしたので、先月と比較すると少しばかり下落率は軟化しましたが、依然として大幅な減少となっております。

北海道知事が独自で公表した2月28日の緊急事態宣言、その後の国レベルでの4月7日の緊急事態宣言は、

5月25日をもって全都道府県において解除されましたが、5月下旬まで緊急事態宣言は継続されておりましたので、今次公表の5月分のデータについては、その影響が直接的に出ております。

また、緊急事態宣言は解除されたものの、来月公表される6月に係る中古マンション売買成約件数も前年同月比では大幅減になることは明らかです。

2. 中古マンション売買成約物件㎡単価

次に㎡単価はどう変動しているのかを見る為に、2020年5月の中古マンション売買成約物件の㎡単価を見ますと、2019年5月に比較し北海道18%減、東京都2%増、神奈川県3%減、大阪府6%減、福岡県4%減、沖縄県12%減となっています。(図2)

図2 中古マンション売買物件の㎡単価(単位:万円)

先月お伝えしました通り、2020年4月での㎡単価は、前年同月比で北海道13%減、東京都1%減、神奈川県3%減、大阪府1%減、福岡県2%減、沖縄県4%減となっておりましたので、東京を除いて価格がより下落しているように見えますが、特に2020年5月での変化として北海道、大阪府、沖縄県における㎡単価下落が目立ちます。

この背景を理解する為に、売買物件の平均築年数を見てみると、北海道においては平均築年数が2019年5月の24.9年に対し2020年5月では29.0年と17%築古大阪府においても同様に平均築年数が2019年5月の24.2年に対し2020年5月26.6年と10%築古、沖縄においても平均築年数が2019年5月の17.8年に対し2020年5月22.0年と24%築古であったことが、㎡単価下落に影響したものと思われます。(図3)

図3 中古マンション売買物件の平均築年数

従いまして、必ずしも北海道、大阪府、沖縄県の価格下落は新型コロナウイルスの影響による投げ売りということではないかと思われます。

以上、今回は中古マンションの直近物件売買データから、新型コロナウイルスの影響が物件売買成約件数や成約物件の平均㎡価格にどのように表れているかを見てきました。

緊急事態宣言により経済活動が実質的にストップしたことが直接的に影響し、中古マンションの売買件数は減少しましたが、価格については下落しているものの、売却された物件の築年数要因での下落といった要因もあるということでした。

緊急事態宣言は解除されましたが、経済活動は引き続き注意しながらゆっくりと再開しておりますので、売買件数そのものは引き続き減少傾向となり、また、価格への影響は、経済活動の回復が長引くと徐々に出てくる可能性はあるものと思料します。

緊急事態宣言解除後もリモートワークが一定程度継続となる中で、職場への近さを中心として居住エリアを選んでいた方が自分自身又は家族にとっての効用最大化を考え、必ずしも職場に近くないエリアを買うという動きも増えてきており、一定のこれまでとは異なった地殻変動が現れ始めていると認識しております。

今後もWPとして皆様のご参考となる情報を共有できればと考えております。