世界の個人富裕層は何に投資しているのか~概観~

今回は世界の個人富裕層人口、そしてその方々の資産構成を含め、マクロ的に見ていきたいと思います。

グローバル不動産コンサルタント会社ナイトフランク(本社英国)のWealth Report 2020によると、30億円以上の資産を有する個人富裕層の人数は図1の通りとなっており米国が圧倒的に多くなっております。同社の予測によりますと、今後5年間ではインド、中国、ベトナム、インドネシアを中心にアジアにおいて人数が大幅に上昇すると見込んでいるようです。

図1 USD30Mil(約30億円)以上を有する個人富裕層人口(出所:ナイトフランク)


また、同社の調査によりますと、USD30Mil(約30億円)以上を有する個人富裕層の平均的な資産内訳は図2のようになっています。
Propertyは不動産投資で約3分の1弱を占めています。
Equitiesは株式投資ですが、2019年は株式市況が世界的に活況であり、特に米国、ドイツ、オーストラリアでは二桁で成長、UKや日本においても増加しましたので、個人富裕層資産の増加に大きく寄与しています。
金・貴金属投資は3%にすぎませんが、安全資産の代表格である金を中心に昨年度は増加しています。

図2 USD30Mil(約30億円)以上を有する個人富裕層資産内訳(出所:ナイトフランク)

さて、図2の中で、Collectables(収集品)が5%を占めていますが、これには、ウイスキー、クラッシックカー、コイン、アート、ワイン、ハンドバッグ、宝石、カラードダイヤモンド、切手、時計が含まれます。

このような収集品のリターンは比較的長期を見る必要がありますが、同じくナイトフランクがLuxury
Investment Indexにてリターンを出しております。

過去10年間で価格が上昇した収集品上位5位を見ますと、ウイスキー、クラッシックカー、コイン、アート、
ワインの順になっています。(図3)

図3 収集品の過去10年間及び過去1年間の価格上昇率(2019年12月末) (出所:ナイトフランク)

ウイスキーは、マーケットリーダーであるマッカランの供給過剰により上半期2.7%下落したものの、下半期でセカンダリー市場が活況となったこと、スコッチ等の価格上昇により過去1年間で5%の上昇となっています。
Dalmore、Spring bank、Ardbeg、Lagavulin、Bowmore、Brora等は引き続き高い需要があるようです。

アートは、印象派・現代アート作家の作品を中心に過去1年間で5%の上昇となっておりますが、象徴的なディールとしてはInvaderのMosaic TK_119(Sotheby’sのオークションで1千万円の予想落札額に対し1.2億円での売却)、BanksyのDevolved Parliament(Sotheby’sのオークションで2億円の予想落札額に対し13億円で売却)があります。

ワインについては、ボルドーワイン・ブルゴーニュワインが下落したものの、シャンパーニュ・北イタリアワインが6-8%と比較的高い価格上昇率となった結果、過去1年間で1%の上昇となったようです。

今回は資産30億円以上の世界の個人富裕層に焦点をあて、概観を見ました。資産構成のうち不動産・株式投資が5割と大きな割合を占めますが、未上場株式(Private Equity)があったり、ご紹介した収集品(Collectables)といった世界も面白いですね。

今回は概観のみでしたが、今後より深堀りしたものもテーマ別に扱って参ります。