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2021.05.21

特別対談企画(前編)苗加不動産 苗加氏に聞く、斬新なサービス誕生のエピソードと自社ブランディング刷新ストーリー

「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第8回は、石川県を拠点に、大学と提携したキャンパス内サービスカウンターや入居者向けカフェや通学バスの運営など、独自の経営戦略で不動産管理会社を発展されている、 株式会社 苗加不動産 代表取締役社長 苗加充彦氏にお話を伺いました。
前編では、苗加氏が家業の苗加不動産に入社し、激動の社会情勢の中でどの様に会社の基盤をつくられてきたのか、「入居者ファースト」の視点の背景、入居者様にご満足していただく為の数々の革新的なお取り組みについてお聞きしました。(前編/全2回)

ゲストプロフィール

株式会社 苗加不動産 代表取締役社長 苗加 充彦氏
石川県金沢市出身。高校を卒業後、富士火災、東京都内の不動産ディベロッパーでの勤務を経て、1990年に苗加不動産に入社。2008年9月代表取締役社長に就任。趣味は旅行。

目次

個人経営で生き抜く道として、「学生専門店」という看板を掲げる

――まずは苗加社長について、お聞かせください。苗加不動産に入社されるまでの経緯も教えていただければと思います。

高校卒業後は、家業である苗加不動産の取引先であった保険会社や、東京の不動産ディベロッパーで働きました。仕事を覚えるというよりは、社会勉強の意味合いが強かったですね。バブル期の東京で先輩に毎日飲みに連れて行ってもらう様な生活も1年経験して、金沢に戻って苗加不動産に入社しました。その当時は、父が社長、母と姉、姉の友人、パートの方が2、3名という、まさしく家族経営の会社。管理物件が徐々に増えていくに従って、家族だけでは成り立たなくなり、少しずつ従業員を増やしていきました。

――苗加社長が苗加不動産に戻られた1990年前半からの10年は、なかなか難しい時代だったのではないでしょうか。バブル崩壊、急激な円高、金融引き締めがあって、2000年にかけては不良債権問題も発生しましたよね。そうした激動の社会情勢の中で、どの様にして苗加不動産の基盤をつくられてきたのでしょうか。

1990年代に金沢大学が角間地区へ総合移転し、その移転と同時に弊社の支店も同じエリアに進出できたことが大きかったと言えます。その地区にアパートを建てた地主様から管理を任せてもらい、オーナー様からオーナー様へとご紹介していただきながら、管理させていただく物件が順調に増えていきました。その時代は全国展開の大手フランチャイズ企業が台頭してきた頃で、弊社にもお声を掛けていただいたのですが、独立独歩でやりたい父は、絶対に加盟しないと(笑)。とはいえ、そうしたフランチャイズ企業は勢いがありますので、弊社の様な個人経営の会社がどうすれば生き抜けるかを僕なりに考えて、学生のお客様に特化しようと「学生専門店」という看板を掲げることにしました。

オーナー様に我々ができることは、満室稼働させること、入居率を高めること


――フランチャイズの傘下に入ることなく、家族経営からこの規模にご成長されるまで、並大抵の道のりではないと思います。今改めて大変だったなと思い出されることはありますか。

それが、実はあまりないのですよ。繁忙期は文字通り休みなく働いて、日中の営業が終わると、その日の会計を自分で締めて、その後に退去された部屋を見に行って、業者を手配して。そうしたことを毎日繰り返していたのですから、大変だったはずですが、忘れてしまったのでしょうね。楽しいことしか覚えていません(笑)。苗加不動産が進出すべきエリアを自分なりに定め、その中の物件の管理会社を全部弊社に変える、このエリアでは絶対一番になる、そう強く心に決めていたからこそ、無我夢中で働くことができたのだと思います。
同時に、管理物件を増やしていく中で、オーナー様に我々ができることは、満室稼働させること、入居率を高めることに尽きる、と考えていました。限られた経営資源でオーナー様にご提供できる価値として、入居率に照準を合わせたわけです。入居率を上げる為に入居者様にご満足いただけるサービスを拡充すれば、結果的にオーナー様に還元できるという発想から、「入居者ファースト」の視点で様々な取り組みを行う様になりました。

「入居者ファースト」の視点で行なった様々な取り組み


――ご自身で掲げられた目標を達成することへの強い情熱、そして「入居者ファースト」という視点の転換が、御社の成長を支える原動力だったのですね。これまでの御社ならではのお取り組みをいくつか教えていただけますでしょうか。

賃貸期間に「卒業」という区切りがあるからこそ実現できる仕組みですが、学生様向けの賃貸物件が動く繁忙期は決まっています。そこで、他社様に先んじて卒業予定の4年生に退去意思を確認することを始めました。大学院に進学してそのまま今の物件に住む率が高い学部もあれば、卒業したら就職して物件を引き払う率が高い学部もありますので、蓄積したデータを元に退去率を予想して、効率よくアプローチして。退去意思を確認したら、解約書も書いてもらって、当時はデジカメもない時代でしたので、ネガフィルムで部屋の写真を撮って、退去前でも募集をかけるんです。たまに卒業できなかった方もいらして、その物件に決めていた新入生が入居できなくなってしまうこともありましたが、新しくその土地に住む学生のお客様の場合、物件が変わってもさほど気にされないんですよね。同じエリアの似た物件をご用意することで解決できるので、この様な一見強引な手法もうまくいきました。

――まさに学生様に特化されている御社だからこそできる戦略的な手法ですよね。

あとは、インターネットの無料サービス。今でこそ当たり前ですが、おそらく普及させたのは弊社が全国一早かったのではないでしょうか。既に10数年前から自社が管理させていただく物件にはすべて無料インターネットを導入したいと、まずは自社所有物件から始めたところ、やはり入居が早く決まるんですよ。そういった実績をお示ししつつ、オーナー様にも導入をご提案して、現在は9割の物件はインターネットサービスを無料でご提供しています。
次に取り組んだのはバスです。自社でシャトルバスを一台購入して、入居者様専用バスとして試しに走らせてみたところ、非常に喜んでいただけました。ところが、その地域のバス会社様から、弊社が無料バスを運営するとビジネスが成り立たなくなってしまうと言われてしまいまして。そこで、今度は民間バスが走っていないエリアに弊社の無料バスを走らせることにしたのですが、結果としてそのエリアの価値を上げることに繋がりました。民間のバスが走っていないエリアは、当然のことながらアパートの入居率は高くありません。ところが、無料バスをきっかけに入居率が上がって、エリア全体の平均家賃が上がって、さらにはアパートを建てるオーナー様も増えて、エリア自体が活性化するという循環が生まれていきました。現在は80人乗りのバスを3台運行していますが、運行しているエリアの家賃は下がりませんし、同じエリア内に物件を持つオーナー様が管理会社を他社様から弊社に変えるケースも増えました。

損してでも入居者様に価値を提供する。一方で、補う仕組みも同時進行で進めていく


苗加不動産の運営する入居者専用カフェ「BEANS」

――暮らしの利便性や価値を高めることで、人を惹きつける地域にしていく。まさに「地域づくり」を御社自ら実践されていらっしゃるということなんですね。

とはいえ、バスを運行するなんて、相当な赤字ですよ(笑)。副次的利益が出るまでには大分時間がかかるものですから。そこで、その時はガス事業も始めて、管理物件のある程度のガスを弊社で扱うことで出た利益を、バス事業の運営に充てる様にしました。最初のうちは損してでも入居者様に価値を提供することを考えますが、それを補える仕組みも同時進行で進めるんです。何かを始める時は何かでペイしようと常に考えています。

――なるほど。バスやインターネットもそうですが、苗加社長は入居者の方々の潜在的なニーズに非常に敏感でいらっしゃいますよね。いかにしてそうしたニーズをキャッチされていらっしゃるのでしょうか。

弊社は昔から学生のアルバイトスタッフを多く雇っていまして、アルバイトの後に食事に行くこともあるので、彼らのリアルな声を聞く機会が多々あります。年に数回ですが、学生団体を集めた食事会も催しており、団体同士を繋いであげると同時に、私たちも彼らの考えやニーズの理解を深めることができていると思います。

以下、後編につづく

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社苗加不動産

代表取締役社長:苗加 充彦
本社所在地:石川県金沢市もりの里2丁目21番地
事業内容:アパート・マンション・駐車場等の賃貸仲介/賃貸管理、土地・建物の売買仲介、ウィークリー・マンスリーマンションの運営、賃貸経営・相続対策・不動産活用のコンサルティング、コインパーキング・レンタル倉庫の運営、保険代理店事業他、上記事業に付随する業務一切

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社苗加不動産
代表電話番号: 076-222-3311
Mail:info@noka.co.jp

WealthPark株式会社 広報担当
Mail:pr@wealth-park.com

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