Articles

2021.05.28

KeyPerson’s VOICE (Part 2) Talk with Noka Real Estate’s Mr. Noka about The Creation of Innovative Services and Brand Refresh

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第8回は、石川県を拠点に、大学と提携したキャンパス内サービスカウンターや入居者向けカフェや通学バスの運営など、独自の経営戦略で不動産管理会社を発展されている、 株式会社 苗加不動産 代表取締役社長 苗加充彦氏にお話を伺いました。
後編では、苗加氏の柔軟な発想の秘訣、満室稼働に繋がる仕組みや組織のつくり方、代替わり時に刷新されたカンパニーロゴにまつわるエピソードについてお聞きしました。(後編/全2回)
前編はこちら

ゲストプロフィール

株式会社 苗加不動産 代表取締役社長 苗加 充彦氏
石川県金沢市出身。高校を卒業後、富士火災、東京都内の不動産ディベロッパーでの勤務を経て、1990年に苗加不動産に入社。2008年9月代表取締役社長に就任。趣味は旅行。

TOC

満室稼働に繋がることに注力できる仕組みづくりを

――苗加社長はこの規模まで到達されても成功体験に固執することなく、柔軟な発想で様々な革新的なお取り組みを進めていらっしゃいますよね。いつも柔軟でいる秘訣は。

うまくいかなかったらやめれば良いと思っているんです(笑)。一度決めたから続ける、続けなければいけないとは考えないタイプですね。これまでの常識を破る様に見える仕組みづくりの裏側には、「スーパー営業マン」をつくりたくないという想いがあります。僕は逆に誰でも営業できる仕組みをつくりたい。例えば、弊社では昔から部屋のクロスは、退去時にほとんどの物件で取り替えることにしています。劣化の確認や入居前との比較もせずに、自動的に取り替えることにしてしまえば、営業担当が誰であっても、次の入居者様に正々堂々と「綺麗です」と言えますよね。弊社は退去時の立会いも行いません。お客様には鍵をお返しいただくのみ。立会いの時間を決めるのにもコミュニケーションコストがかかりますし、後で退去された物件をまとめて確認した方が、早くて楽なんです。敷金の返金も、オーナー様と退去者様の間でどうしても交渉したり揉めてしまうので、退去時の返金額を最初から決めておく。こうして判断に困る要素やトラブルに繋がる要素をできる限り削ぎ落として、それよりも満室稼働に繋がることに注力できる仕組みにしています。
繰り返しになりますが、多少の設備投資をしても、少し家賃が下がっても、とにかく自分の物件が満室稼働していることがオーナー様は一番嬉しいんです。弊社は取扱物件の1割が自社所有物件です。自分たちで物件を持つことで、オーナー様のお気持ちになって考えることができることは大きいと思います。インターネットの導入も、クロスの取り替えも、入居率に還元できると実感と自信を持ってオーナー様にご提案できる。社員にも自分で物件を持ってみることを推奨しているので、物件を所有している社員もいますよ。自分で持つとオーナー様の感覚が切実にわかるんですよね。入居が1日遅れることがどのくらい自分のお財布にインパクトがあるのか。体験してもらうことを、少しずつ進めているところです。

社内の色々な立場、色々な方向から意見を聞くことが大事


――組織づくりに関してもお伺いしたいのですが、新卒・中途問わず、数ある不動産会社の中から苗加不動産を選んでもらう為に、社長の立場でどんな風に会社の魅力を発信されているのでしょうか。

質問の答えに全くならないので恐縮ですが、今弊社の骨格となっている幹部メンバーは、全員が全員ユニークな繋がりで入社しています。例えば、今や僕の片腕みたいに働いているメンバーは、たまたま海にいた時に、彼の車のタイヤが道の溝にはまってしまっていたのを助けたのが出会い。気が合ってそのまま飲むことになって、最後には僕の家にまで来て飲んで(笑)。しばらくして次に会った時に、今は仕事をしてないって言うものだから、うちに誘って入ってもらいました。他にも、今の会社のロゴマークをデザインしてくれたデザイン会社の元専務や、ライバルとも言える金沢大学の生協の元トップが、仕事相手として付き合っていく中で、最終的に「苗加不動産に入りたい」と参画してくれて。ただ、これまではこうした偶然の出会いに助けられてきましたが、今後は新卒で入ってくれた人たちに頑張ってもらいたいですし、会社としてはこれから社内教育にも力を入れていきたいですね。

――これまで苗加社長がご縁や時の運を味方につけながら組織をつくっていらっしゃった一方で、組織として新人教育にも注力されていく次のフェーズに差し掛かってきたということですよね。会社の規模も大きくなっていく中で、社長として社員の方とのコミュニケーションは普段どの様に取られているのでしょうか。

僕自身は毎日出社していますので、ほとんどの社員と顔を合わせています。もちろん全員と話すわけではありませんが、顔は見ているので彼らの状況はなんとなくはわかります。また、繁忙期が終わると、来年に向けた振り返りをまずは幹部2人と僕の3人で、次に社員全員と個別に行ないます。時間はかかりますが、社長として、色々な立場、色々な方向から意見を聞くことを大事にしています。

「苗加不動産」から「のうか不動産」へ


――伸びている会社の社長様は、苗加社長の様に現場主義の方が多く、顔が見える形でリーダーシップを発揮されていらっしゃると感じています。その方が確実に社員に心理的な安心感を与えることができるのでしょうね。

僕自身も放っておくというのは不安なんですよね。組織の人数が増えてくると、やはり僕が意図してないことも起こることもあります。許容範囲なものはあえて見過ごすことや、黙って見ていることもあります。ただ、大きなズレは軌道修正をかけないと、大切にしてきたものが変わったり失われたりしますから、日々現場に出向くことは重要視しています。

――革新を続けていらっしゃる御社らしく、ロゴマークのデザインもお父様から代変わりされたタイミングで、刷新されていますよね。

父の頃は全く異なるデザインで、「のうか」の名前も漢字にしていましたが、代替わりしたタイミングで、このロゴの看板を掲げたくないなと思って(笑)。新しいデザインにすることにしたんです。ブランディング会社から最後の最後で提案してもらった、「日本一マメな不動産屋」というキャッチフレーズ、豆をモチーフにしたデザイン、コーポレートカラーが一目で気に入って、これにしようと。父にはこの時だけは怒られまして、「なんで変えたんだ」と言われました。僕は僕で、父に変えると言ったら反対されるかもしれないので、黙って新しいロゴデザインで看板屋さんに依頼して。父から「看板がまだ付いていないじゃないか」と指摘されても、「遅れているみたいだよ」って、ずっとごまかしていました(笑)。

――「日本一マメな不動産」というキャッチコピーは非常に印象的ですし、色合い、形、ワーディング、どれを取ってもお客様に受け入れられやすいものになっていますよね。実は、苗加社長が代替わりされた後のリブランディングやこれまでのお取り組みを外から拝見している限りでは、戦略的な方という印象を持っていましたが、本日実際にお会いして、現在の幹部の方の採用のご経緯やロゴのお話を伺ってみて、もしかしたら割と右脳タイプでいらっしゃるのかも、と思い始めています(笑)。

そうだと思いますよ(笑)。

主語は常にお客様。お部屋探しもお客様にもっとわかりやすい仕組みに


――今のコロナ禍では、お客様である学生の学びや生活のあり方も変わってきている部分がありますよね。管理会社として、地域の顔として、やっていくべきこと、チャレンジしていくべきことを苗加社長の中ではどう捉えていらっしゃいますでしょうか。

例えば、部屋探しでいうと、一昨年でも電話やメールで決められる方が3割はいらしたんですね。でも今や完全に逆転。7割がメールや電話といったオンライン、3割が来店されて決められる状況です。オンラインでのやり取りでも全く問題ないですし、特にそれゆえのクレームはいただいておりませんが、こうした状況を踏まえて、お客様が出向かずに決められる仕組みをもっと整えていかなければならないと考えています。重要事項説明だったり、契約書だったり、不動産契約を取り巻くさまざまな事柄がオンラインに馴染みにくく、正直今はまだ来店していただく方が説明しやすいところはあります。ですから、こちらでお客様にとってわかりやすい仕組みを整えて、来店されなくても契約まで結べる様にしなければならないと思っているんです。

――DX化、デジタル化においても、これまでのお取り組みと同じ様に、あくまでも主語は入居者様、その先のオーナー様であって、お客様に適切でわかりやすくなる様に一つずつ丁寧に解決していきたい、ということですよね。

管理はやるべきことを違わずやっていれば、答えが返ってくる仕事


苗加不動産の運営する入居者専用カフェ「BEANS」
――苗加社長は1990年代からずっと前線で働きづめでいらっしゃったと伺いましたが、50歳を迎えられて、社長としてのワークライフバランスの変化はありましたでしょうか。

何もないです(笑)。仕事そのものが人生の楽しみなんですよ。ただ、元気でいるうちに色々やってみないともったいないなと思ったこともありまして、ちょうど4、5年前に初めてマイルの使い方を知って、コロナ前は海外旅行によく行く様になりました。数ヶ月に一度はマイルを消化しようと思ってね。旅行する時は、携帯も置いていくくらいの気持ちですよ。実際に置いていくことはしませんが(笑)。僕がいなくても会社は回りますので、全く問題ありません。

――最後に、日々忙しく働かれている管理業界の従業員の方に向けて、メッセージをお願いいたします。

難しいな(笑)。単発の仕事である売買に比べて、管理は継続の仕事。目立たない部分もあるかもしれませんが、商売として安定していて、やるべきことを違わずやっていれば答えが返ってくる、僕自身は良い仕事だなと思っています。現場を大事にしながら、努力やチャレンジを継続していけば、必ず先が見えてきます。一緒に頑張りましょう。

――本日はありがとうございました。

前編はこちら

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社苗加不動産

代表取締役社長:苗加 充彦
本社所在地:石川県金沢市もりの里2丁目21番地
事業内容:アパート・マンション・駐車場等の賃貸仲介/賃貸管理、土地・建物の売買仲介、ウィークリー・マンスリーマンションの運営、賃貸経営・相続対策・不動産活用のコンサルティング、コインパーキング・レンタル倉庫の運営、保険代理店事業他、上記事業に付随する業務一切

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社苗加不動産
代表電話番号: 076-222-3311
Mail:info@noka.co.jp

WealthPark株式会社 広報担当
Mail:pr@wealth-park.com

RELATED ARTICLES

  • Articles

    2023.10.02

    特別対談企画(前編)1つの取引が運命を変えた。サムティプロパティマネジメント植田社長の半生から学ぶ「管理会社代表のあるべき姿」

  • Articles

    2023.10.02

    特別対談企画(後編)1つの取引が運命を変えた。サムティプロパティマネジメント植田社長の半生から学ぶ「管理会社代表のあるべき姿」

  • Articles

    2023.08.29

    特別対談企画(後編)戦略的に、そしてストイックに。地元・長浜で活躍する葛川社長に尋ねた挑戦し続ける秘訣とは?

  • Articles

    2023.08.29

    特別対談企画(前編)戦略的に、そしてストイックに。地元・長浜で活躍する葛川社長に尋ねた挑戦し続ける秘訣とは?

  • Articles

    2023.04.18

    特別対談企画(後編)「無償から有償管理へ」広島の管理開拓者である良和ハウス代表が語る不動産奮闘記

  • Articles

    2023.04.18

    特別対談企画(前編)「無償から有償管理へ」広島の管理開拓者である良和ハウス代表が語る不動産奮闘記