Culture

2022.01.31

「感謝と敬意がない関係には魅力を感じない」私がベトナムで見つけた人生哲学と”APPRECIATION AND RESPECT”

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目錄

小さな積み重ねが大きな成果になる

-WealthParkで、中途人材のダイレクトリクルーティングを一手に引き受ける人事の加賀谷優希。実は人事未経験でWealthParkに入社したのだという。

WealthParkの全ポジションの採用を担当しています。ダイレクトリクルーティングは『攻めの採用』であると考えています、極めて営業に近い動きです。採用ブランディングや採用広報も担当しています。WealthParkに入社する前は保険会社や人材紹介会社で営業職として仕事をしてきましたが、人事や採用の経験はありませんでした。入社してからこれまで、ゼロからダイレクトリクルーティングを立ち上げて、運用までのすべてを担当しています。

-ダイレクトリクルーティングは華やかな印象を持たれることが多いが、小さなことをコツコツ積み上げることだ大事だと加賀谷は語る。

私の経験と感覚ですが、求職者の方から連絡がきた瞬間にリアクションをとらないと二度と返事がこないことも多くあります。そのためたとえ他の仕事に集中していたとしても求職者の方からメッセージがきたら可能な限り即返信・対応することを継続しています。この仕事は地道にコツコツ積み上げることが本当に大事だと思っています。職人みたいになれたらいいなと思いながら日々取り組んでいます。

人生哲学=「今」を大切に生きる

私が人生で大事にしてるのは『今』を大切に生きることです。過去や未来が大切ではないと言うつもりはないのですが、過去の成功体験や栄光を語り続けて過去にばかり目を向け続けることって今を生きている感じがあまりしないんです。未来にはたくさんの希望がありますが、同時に誰にもどうなるのか分からない予測不能なものであり不安定さもあると思っています。それがひとつの面白さである反面、考えれば考えるほど心配や不安にもなると思います。だから今を一生懸命生きる。今この瞬間を大切にすることを積み重ねたらそれが未来になって辿り着くべき場所に辿り着く。そう思っています。あとは明日なにが起きても後悔がないように今を生きています。今を大切にし続けることが自分の幸せだと感じています。

ベトナムでの衝撃と今のわたし

-現在はWealthParkの人事として活躍する加賀谷だが、前職はベトナムにある人材紹介会社で勤務。今を大切に生きるという人生方針は5年間のベトナム生活で培われたという。しかし赴任当初は、日本ならではの『こうあるべき』『当たり前』にしばられていていたという加賀谷。どうやって自身を変化させていったのだろうか。

ベトナムで出会った人々がまさに今を生きることを大切にしていました。その考え方や生き方が素敵だなと心から思い、感動しました。
日本の当たり前がベトナムで通じないと分かったときは頭を殴られたような気分でした。どうしてこれが通じないんだろうとか、こうあるべきなのにってことばかり当初は思っていて、現地の生活や慣習に憤りを感じることも少なくありませんでした。でも、自らの選択で移住したベトナムで楽しく生きることを考えたときに、まずは違いを受け入れることが大事だと思えるように少しずつですが気持ちが変わっていきました。郷に入っては郷に従えというのはまさにで、徐々にベトナムで生きる人々に近づく感覚があり、同時に日々を楽しんで生きることができるようになっていきました。

-そして『今』にフォーカスを当てるのは、ベトナムならではの事情も少なからず影響していると語る。

日本では考えにくいことですがベトナムって法律ですらすごいスピードで変わります。今日『白』だと思っていたものが、いきなり明日『黒』になることも日常茶飯事。そうなるとより一層、『今』以外の過去や未来が持つ意味が薄れていくように私は感じました。同時に、今日と変わらない明日や未来が必ずくることを前提として物事を考えることに違和感を覚えるようになりました。いろんな体験が積み重なった結果、今を大切に生きることが最も確実で、それを積み重ねていくことが豊かな未来をつくると考えるようになりました。

「当事者」になりたいと思って目指した人事の仕事

-人材紹介会社ではCA(キャリアアドバイザー)とRA(リクルーティングアドバイザー)の両面を担当していた加賀谷。仕事をする中で次第に人事への憧れを強めていったという。

人材紹介会社の仕事は楽しく毎日充実していました。RAとCAのどちらも大好きな仕事でしたが、素敵な人事の方と一緒に仕事をする機会に幾度となく恵まれた体験から人事という仕事に憧れを持ちはじめました。

-CAとして求職者の方に向き合う中で壁にもぶつかったという。加賀谷は、当時担当した1人の求職者のことを教えてくれた。

CAとして求職者の方にアドバイスをしたり併走することはできましたが、内定を得たその先も責任を持つことは難しいと感じていました。できることがあまりにも少なくて無力だと。
一緒に悩んで何度も話しをした結果、ある企業へ入社することを決意した求職者さんがいました。しかし入社してみたら想像していたり聞いていた環境と違ったと。私はCAとして最善を尽くし仕事を全うし、誇りを持って求職者さんに向き合った自信がありましたが、CAの立場で頑張っても会社の内情を知ることには限界があるという現実を痛感しました。
当時どうしたら求職者の方に対して責任が取れるんだろうと何度も考えました。無責任に聞こえるかもしれません。でも、求職者の方に謝ることはできても、やっぱり本当の意味で責任をとることはできないという現実と自分の無力さを感じました。人材紹介会社の立場で当事者意識を持って仕事をしてきたけど、当事者ではないという大きな壁にぶつかった瞬間でした。
当事者意識をもって働く仕事はたくさんやってきたから次は『当事者になろう』とその日から思いました。これが私が人事になることを目指した理由です。

感謝と敬意がない関係には魅力を感じない

-WealthParkにはAPPRECIATION AND RESPECTというBehavior Identityがあるが、加賀谷はそれをどう捉えているのだろうか。

私は言葉のとおり『感謝と尊敬』と解釈しています。厳密に言うと、RESPECTに関しては尊敬より『敬意』が私のイメージに近いです。APPRECIATION AND RESPECTは会社のBehavior Identityではありますが、もともと私個人としても近年大切にしている考えです。

-まずAPPRECIATIONについて、彼女の人生観とともに語ってくれた。

私は自分がとても幸せ者だと思っています。もちろん人生のすべてが楽しいことや嬉しいことばかりではありませんが、いろんなことが起きるのはある意味折り込み済みです。いろいろ起きることもぜんぶ含めて総じて毎日幸せで楽しいです。

-何をしている時が一番幸せなのかを尋ねてみると、特定のことに幸せを感じるというより日々ずっと幸せを感じているのだと教えてくれた。

例えば、朝起きてベッドに寝られていることも、蛇口をひねったら水やお湯が出ることも。日常のいろんなことがぜんぶ幸せです。人との関わりでいうと、何事も自分一人で成立していることなんてひとつとしてないと常に思っていまして。例えば、私が部屋にいて快適に過ごせるのは家を建てて部屋をつくってくれた人がいるからです。身近なことひとつにしても目を向けて考えてみると、いろんな人に支えられて今日私は生きることができていることを感じます。直接の面識はなかったり顔も名前も知らない人であっても、すべての人へ感謝の気持ちがあります。

-次に、RESPECTについても詳しく教えてくれた。

自分以外のすべての人を尊敬しています。この世の中に誰一人として同じ人間はいません。みんな違って素晴らしいし、私が持っていないものをみんなが持っていると思っています。それだけで敬意の対象ですね。

-加賀谷にも気が合う合わないと感じることはあるそうだが、違って当たり前、むしろ共通点があることの方が貴重だという。

共感って嬉しいですよね。どうして嬉しいのかなと考えてみたときに私が思うのは、圧倒的に違うという前提のなかで共通点を見つけられるから嬉しかったり感動するんだと思っています。違うことが通常かつ自然なので、共感があったり共通点があったときには、加点!加点!というかんじです。

-そんな加賀谷は、APPRECIATION AND RESPECTがない関係に魅力を感じないと明言する。

誰しもみな違う人間なので共通点ばかりではありません。そこに更に感謝や尊敬もなかったらいい関係なんてとても築けないと思っています。自分と違うから間違っているという話しをするのってまったく建設的じゃないと思います。そしてそれってお互いにとってHAPPYなんでしたっけ?と思います。誰にとっても1日は24時間で特例はありません。時間はいつでも有限です。人生の大切な時間を、誰と何に使うか、これはすごく大事な選択だと思っています。私はAPPRECIATION AND RESPECTがないところには自分の大切な時間を使いたくないと明確に思っています。

RESPECTの先にあるAPPRECIATION

-感謝と敬意は、自身の人生にとっても大事な要素だと教えてくれた加賀谷。一方、APPRECIATION AND RESPECTはWealthParkにどんな影響を与えているのだろうか。彼女の考えを聞いてみた。

最近は組織が拡大していることもあり、隣の人の仕事は分かるけど隣の部署の人の仕事は分からないし接点もない、という状況が徐々に増えてきています。しかしながらどんなに部署やポジションや役割が分かれていても描くビジョンやミッションはすべてのWealthParkメンバーに共通しています。同じ船に乗って同じ行先を目指していると私は思っています。だから直接業務上の接点がなかったとしても、例えばオフィスですれ違った時におはようと挨拶をするとか、どんなことでも何かしてもらった時にありがとうをきちんと言葉で伝えるとか、とても小さなことかもしれないですが感謝や敬意の気持ちを持って、それを言葉で相手に伝えることがシンプルだけどすごく大事なことだと思っています。あとは何か成果を出しているから尊敬するといった条件付きの敬意ではなく、その人の存在自体にAPPRECIATION AND RESPECTの気持ちを持つことが今も今後もWealthParkにとってすごく大事なことだと思っています。

-ここまでAPPRECIATION AND RESPECTについて語ってくれた加賀谷だが、ここで次のように話してくれた。

Behavior IdentityはAPPRECIATION AND RESPECTですが、よく考えたら個人的には単語の順番が逆のほうがしっくりきます。RESPECTがあって、その先にAPPRECIATIONやTHANK YOUがあると思います。

-最後に、加賀谷から候補者の方へのメッセージを紹介する。

まずはいかなるときにも自分自身を大切にしていただきたいなと思っています。自分がやりたいと思うことや好きなこと、一度きりの人生なのでぜひとも自分の思いを貫いてほしいです。あと、社会人のちょっと先輩としてお伝えできることがあるとすれば『仕事ってとても楽しい』ということを伝えたいです。もちろん大変なことや折り合いをつけなければならない局面はあります。苦しいことも多くあります。でも、やりたい仕事にとことん打ち込んで、それに見合う報酬を受け取って、自分の人生全体も仕事もその他もぜんぶ最高でHAPPYなものにすることは必ず誰にでもできます。ぜひそれを諦めないでいただきたいなと思っています。

<インタビュアー>
渡邉あす香|Asuka Watanabe
愛知県出身。大学卒業後に人材会社に入社。
企業のITエンジニア採用支援に5年間従事した後、2020年にフリーのライターに転身。現在は就転職や採用関連の記事を中心に執筆している。

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