CEO川田の連載寄稿 Vol.4 – 海外不動産テックの活況と変革の最前線<第三回>

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前回の特集では、日本同様に、「データ」収集に苦心する米国の姿をお伝えしましたが、今回は、「テクノロジー」の活用にチャレンジしている、「不動産」会社の実像に迫ってみたいと思います。

グラフ.1をご覧下さい。欧米で活躍する、「不動産」×「テクノロジー」と呼ばれる企業のうち、“売買仲介業“を主領域とする大手企業の、総従業員に対するソフトウェアエンジニアの割合をまとめたものです。最先端を走っていると思われている各社ですが、純粋なエンジニアの割合は意外にも低く、「テクノロジー」を売りにしているRedfin社やCompass社は10%程度、広告ビジネス主体のZillow社でも20%を下回る結果となっています。

但し、日本では広義の意味でエンジニアとして捉えられることの多い、情シス、ITサポート、デザイナー及び、データ分析担当等はこれに含まれておらず、会社によって幅はありますが、20-50%程度は「テクノロジー」を起点とした業務に従事をしていると言えます。
なおベースとなる事業規模が大きいことから、個社別に見た際のソフトウェアエンジニアの絶対数としては数百人規模であり、莫大な資本投下を伴って開発を実施している事も見逃せないポイントです。
続いて、グラフ.2をご覧下さい。これはCompass社における職種別の給与レンジと平均値をまとめたものです。「テクノロジー」を標榜する一方で、保有・仲介を専門とする「不動産」業を営んでいることから、前述の約50-80%の人員は営業・オペレーション等に従事しています。その中で見えてくることは、いかにエンジニアが会社の中心になりつつあるか、ということです。
経営陣を除いた、同じ雇用形態(常勤雇用)で比較した場合も、報酬は、平均値で約2.3倍、最大3.3倍の開きがあり、エンジニアが「不動産」サービス・会社においても、事業の主役になっていることが伺えます。また、元来、事業の主役であった営業職についてもエンジニアとは大きな乖離があることも象徴的な事象として挙げられます。
なお、総人件費ベースでは、60-80%相当を、広義のエンジニアに充てていることが類推され、このトレンドは益々高まっていくことと考えられます。

一口に、「テクノロジー」の開発・導入・維持といっても、米国でも非常に大きな意思決定(テクノロジーを中心とした組織作り)とリスク資本の投下(3)の上で成り立っており、普及に向けたチャレンジは、日本同様、今後も試行錯誤の上で進んでいくものと思われます。

注釈:

  1. 各種データ及び、資料より弊社作成 。但し母集団からは、一般的に出来高報酬となるエージェントを除き、ブローカーハウス(売買・仲介会社)としての各社の人数をベースに割合を算出
  2. 2020年2月末時点のGlassdoor社掲載のデータを基に弊社作成
  3. Zillow社、及びRedfin社の上場2社に加え、残る非上場3社も現状全て赤字決算