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2021.01.29

特別対談企画(後編)宅都ホールディングス太田氏に聞く、オーナー様への思いとデジタルを通じた不動産管理業界の未来

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「不動産管理会社のいまを知る」をテーマに、業界をリードするゲストをお迎えし、貴重なお話をお伺いする連載企画。第3回は、 オールインワン不動産管理プラット”フォーム を掲げ不動産管理に関わる多くのビジネスを展開されている、 株式会社”宅都ホールディングス代表取締役社長の太田氏にお話を伺いました。後編では、オーナー様に対する思いやこだわり、従業員の意思から生まれた子会社設立のストーリー、太田氏の目指すデジタルを駆使した不動産管理業界の未来についてお聞きしました。(後編/全2回)前編はこちら

ゲストプロフィール

株式会社宅都ホールディングス 代表取締役社長 太田 卓利氏
和歌山県出身。大阪で働き始め、1987年に不動産業界へ。大手賃貸不動産会社を経て、30歳で株式会社宅都を設立。趣味は釣りと筋トレ。愛犬家の一面も持つ。座右の銘は「質実剛健」。

TOC

「おもてなしコール」から始める入居者とのコミュニケーション

――長期間にわたってお客様との関係性を構築する管理業に日が当たってきた気がしますね。現在の宅都ホールディングス様の業務業態について簡単に教えてください。

太田社長:宅都ホールディングスは本社管理機能を持ち、その下にある子会社で事業を分割している体制です。株式会社宅都は不動産仲介事業、不動産開発事業、ホテル・民泊事業の3つの事業を行い、宅都プロパティが不動産管理事業を一本でやっています。また、昨年10月に宅都グループの連結子会社から独立した「スマサポ」は、私が掲げる「愛ある管理」を推進する為に、入居者にフォーカスしたサービスを運営していました。主力商品の入居者アプリを通じて、業務の効率化や入居者コミュニケーションを図っています。

――「スマサポ」は、仲介・管理で抜け落ちていた入居者様にフォーカスしたサービスという、これまでにない新しいサービスですよね。入居者様に長く住んでいただけることが、最終的にはオーナー様の喜びや満足にも繋がると言えますが、入居者様にフォーカスして努力された発想のきっかけは。

太田社長:最初の10数年の仲介拡大期を経て、管理の構造改革に踏み込み、実際に7,000戸だった物件が5年で20,000戸になりました。役員総出でディペロッパー様や個人オーナー様を回って、短期間でその数値まで増やした後、その上でどんな管理業を目指していきたいかを話し合いました。経営チームで伊豆の断食道場に泊まり込み、まずは顧客の定義から考えました。議論の中で見えてきたのは、これまでの不動産業界では、売主と貸主の満足度を高めることに重きを置いているということ。入居者の満足度を考えている会社がないからこそ、私達はここに着目しようと考えがまとまりました。根本にある発想は、「世の中から必要とされる商売」です。あったらいいなと思う商売が成功するという考えを念頭に置いています。管理会社の中では入居者をクレーマーと呼ぶ節もありますが、そもそもなぜ入居者がクレーマーになるかというと、一本の電話でたらい回しにされたり、書類がなかなか届かなかったり、管理会社に落ち度があることが多いのです。ひとえに入居者と管理会社の間のコミュニケーションが不足していることが要因ですね。
分譲物件は入居者の管理組合がある一方、賃貸物件は入居後の入居者と管理会社との間にコミュニケーションすら生まれない状況です。だからこそ、入居してから一ヶ月以内に管理会社の私たちはスマサポを利用して、おもてなしコールから始めようとしました。ただし、これではビジネスとして成立せず、この先で何か商品を販売しないといけません。そこで、水、ガス、電気といった生活必需品を販売することになりました。コールセンターの経験者が参画してくれ、入居者の方が引っ越して1ヶ月以内に必要とされるものを組み合わせて販売するサービスが社内で立ち上がりました。
転勤等で引越しの経験が多い入居者の方は、スマサポのおもてなしコールを受けて、「管理会社から『住んでいただいてありがとうございます』なんて言われたことがない」と感動されます。全国1852万世帯の賃貸住宅にこのサービスを卸していけば、賃貸業界の入居者のイメージが変わると信じています。スマサポは入居者と管理会社のコミュニケーション、入居者同士のコミュニケーション、最終的には入居者と地域のコミュニケーションを目指しており、まずは入居者と管理会社のコミュニケーションが成立してきた第一フェーズだと捉えています。

――宅都グループは入居者の方を集めて感謝祭(宅都祭)もやられていらっしゃいますよね。

太田社長:管理会社はオーナー様に向けたイベントは実施しますが、入居者様に向けたイベントは何もやっていなかったのが現状です。私達もコールセンターだけでは入居者の方の生のお声が聞けません。テクノロジーが進んで効率が上がると、どうしてもリアルなコミュニケーションが不足してきますので、せめて年に一回は入居者様と顔を合わせる場を設けることにしています。なぜ私達がこういうイベントを開催するのか、普段お客様にどういう気持ちで接しているのかを理解していただける発信の機会として考えています。

組織再編を経て、宅都プロパティの管理事業を主軸に

――現在スマサポは宅都ホールディングスからは完全に独立した形になっていらっしゃいますよね。

太田社長:スマサポのサービスをより広くお使いいただく為に、他の管理会社様への販売も推進し始めると、不動産管理業を持つ宅都と一部利益相反する部分が出てきてしまいます。スマサポは完全独立でやった方が良いと考えていたところ、ずっとスマサポの事業を一緒にやってきた当時の経営企画本部の室長であった小田が、初めて自分でやりたいと手を上げてくれました。グループ会社から完全に離れて、オーナー経営者と同じ様に権限を委譲して、スマサポをやらせてくれと言ってくれたのです。スマサポを連結子会社から離して一年超経ちますが、経営陣もメンバーもやりがいを持って大きな目標に向かって進んでいて、利益も大きく出してきています。私としてはさみしい気持ちもありますが、こういう会社経営をしていきたいと思っています。宅都の新卒社員が社長になったり、社内カンパニーが立ち上がって自ら上場を目指してくれたり、暖簾分け制度といった様々な仕組みも用意しています。スマサポがこういう形で独立したことで、人材の育て方、組織のつくり方として一つの例ができたと思っています。

――育った従業員がチャレンジできる場所をつくられていくご方針ですよね。

太田社長:そうですね。ただ、正直なところ、スマサポが連結子会社から離れて、結果的に子会社は株式会社宅都と株式会社宅都プロパティの2社になり、この状況下でホテル・民泊事業は大きな打撃を受けて、業績が悪化しました。この結果を鑑みて、スマサポが連結子会社として完全に独り立ちした後、宅都ホールディングス本体としてはどういう道を進んでいくかを議論しました。そもそも宅都ホールディングスが必要なのかという観点からも考え、組織再編という決断に至りました。これまで宅都ホールディングスがトップに立ち、子会社の事業を共に成長させてきましたが、これから宅都ホールディングスと宅都プロパティが合併して、宅都プロパティの管理事業を主軸に持ってきます。宅都プロパティ自体がプロパティテックカンパニーとして、DXも実施していきます。今一度管理拡大期の初心に戻って、現在30,000戸の管理物件をここから数十年間で10倍、数十万戸まで増やし、圧倒的シェアを誇る会社にしていきたいと思っています。その上で、宅都プロパティの下に開発業やホテル・民泊業などの事業会社を子会社として入れる予定です。

――管理を基軸にされ、デジタルも取り入れることで、管理戸数を今後数倍、数十倍に増やしていくということですね。

太田社長:今後宅都プロパティで進めたいデジタルの観点でいうと、まず管理会社として、仲介会社に渡すべき情報であるお部屋の寸法をいかにデータ化して提供できるかが一点です。お部屋を探しているお客様に対するサービスは比較的オンライン化が進んできていますが、仲介会社から選ばれる管理会社になる為に、デジタル化すべき領域はまだまだあると考えています。もう一点は、私達が掲げている入居者ファーストを実践すべく、スマサポ社の入居者アプリ(totono)を活用して、入居者との日々のコミュニケーションや商品の販売を進めていきたいと思います。年に1・2回のリアルなイベントも欠かさずにやっていきます。最後はオーナー様に対する部分ですね。オーナー様の高齢化が指摘されていますが、2代目や投資家の方も増えています。海外の投資家からもたくさんの物件を購入していただいている中で、紙やインターネットよりも、常に双方向のコミュニケーションが取れる様に、入居者アプリ同様に、オーナーアプリは積極的に取り入れていきたいと思っています。加えて、オーナー様とのイベントももちろんやっていきたいと思っています。これらの3つがポイントになると思います。

デジタル化の推進によって、従業員を不動産のプロフェッショナルに

――そもそも大事にしていたことを引き続き大事にするために、デジタルを活用するということですよね。働かれている従業員の観点もお聞きしたいです。管理中心、つまり管理戸数を増やしていく際に、デジタルを入れて従業員の方達の業務効率の向上を目指す方向に進む上で、どの様に距離感を取っていらっしゃいますか。

太田社長:従業員のモチベーションは非常に重要です。不動産管理業はリモートワークやデジタル化と相性が良いと考えていますが、一方で効率化が進んで残業代がなくなるのではといった収入面に対する不安も生じます。そうした中で、創業時から整備してきた評価制度や人材育成制度が大切になってきます。
テクノロジーの活用のメリットは、従業員が作業ばかりやるのではなく、そうした作業をテクノロジーに任せることで、従業員には不動産のプロフェッショナルとしての知識やスキルを高めてもらい、最終的に何をやりたいか、自分のキャリアのレールを自分で轢かせられることです。管理会社の業務は縦割りが多いと思いますが、不動産管理といっても不動産屋ですので、売買もできないとだめですし、不動産のプロフェッショナルであるということが軸であり義務だと思います。弊社にはキャリアチェンジやFA制度がありますし、キャリアシートが入った宅都手帳をつくって、そこで従業員の目標管理や中長期のキャリアイメージを持ってもらいます。彼らの目標と会社が定めている評価制度が常に一緒でなくてはなりませんし、評価制度自体も社員から意見を出し合って作り上げていくのが理想だと考えています。

――デジタルを推進していく土台として、従業員をしっかり評価していく仕組みがあるということですね。9月から日本賃貸住宅管理協会の副会長も務められて、全国の管理会社様とつながりをお持ちだと思います。管理会社様に対するメッセージをください。

太田社長:私自身もスマサポ社をつくるにあたって、多くの社長様や日本賃貸住宅管理協会の先輩方とお話をさせてもらいました。北は北海道、南は沖縄まで、様々な管理会社があり、管理の事業構築に正解はありません。しかし、一つ言えることは、管理会社は最終的には資産管理会社です。単に建物を管理するだけでは絶対に伸びませんし、オーナー様から支援はされないですね。売買、相続、資産の組み替え、銀行ローンの借り換え、オーナー様の本当に助けてほしいところまでアドバイスができて、頼られる存在にならないといけません。重きを置くべきところは管理戸数を伸ばすことだけではなく、オーナー様の資産を活用して利益をどのくらい出すかですが、オーナー様の資産管理に深く踏み込んでいる管理会社は少ないと思います。管理会社にとって、「資産管理」という目線は非常に大切だと思います。

――オーナー様に対するメッセージも一言いただければ。

太田社長:弊社に管理を任せていただけると、幸せな人生を送れます!!ご支援よろしくお願いいたします。

――本日はありがとうございました。

 

インタビュアー:WealthPark Founder & CEO 川田 隆太

株式会社宅都ホールディングス

代表取締役社長 太田卓利
本社所在地 大阪府大阪市中央区高麗橋3-2-7 オリックス高麗橋ビル2F
事業内容 不動産仲介・管理・開発・住まいや暮らしに関するサービス提供を事業とする企業グループの統括・運営

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社宅都ホールディングス 経営企画本部 野村
Mail:y_nomura@takuto-net.com

WealthPark株式会社 広報担当
Mail:pr@wealth-park.com

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